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2026.06.22 07:30

米政府のアンソロピック禁止令が招いた予想外の展開──世界的AIブームはむしろ加速

NazeerArt - stock.adobe.com

オーストラリアとカナダがソブリンAI(主権型AI)ファクトリーを築く

その対応はすでに目に見える形で現れており、エヌビディアのシリコン上で動いている。オーストラリアでは、Sharon AIがエヌビディアと6年間の戦略的コンピューティング提携を締結した。72メガワットの新規容量にわたって最大4万基のGrace Blackwell GB300 GPUを配備する。狙いは明確で、計算資源を国内でホストしたい企業、大学、政府機関に向けたものだ。この契約により、同社の契約済みAIファクトリーのフットプリントは、2027年までに132メガワット、5万5000基超のGPUへと拡大する。

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カナダでは、Telusが国家規模で同じ手を打っている。ケベック州リムースキで、エヌビディアとHPEのハードウェアを用いたカナダ初の完全なソブリンAIファクトリー(自国の主権下に置くAI基盤)を開設した。同社はこのモデルをブリティッシュコロンビア州へと拡張し、6万基超のエヌビディア製GPUと150メガワット超へスケールできるよう設計したクラスターの構築に着手した。セールスポイントは、このプロジェクトの存在理由そのものだ。カナダのデータを、カナダの土壌で、カナダの管轄下に保持し、いかなる外国機関のスイッチも及ばない場所へ退避させること。

どちらの拡張も、米国のどの研究所がオンラインのままでいるかには依存しない。どちらも、エヌビディアが米国のハイパースケーラーに売っているのと同じシリコンで動く。単一障害点(single point of failure)を信頼しなくなったとき、資本はこう動く。より安全に立てる場所を探し、いまそれは、より多くの国で、より多くの買い手が、より独立したネットワーク上に存在することを意味する。

この2年、AI投資に関する最大の懸念は集中だった。支出の多くが米国の5社のバランスシートに行き着くという感覚である。オーストラリア、カナダ、欧州、湾岸地域にソブリンAIの買い手を生み出す政策は、その懸念に真正面から反する。需要基盤はより広がり、倒されにくくなる。

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「ラック当たり100キロワット」が液冷や配電の需要を生む

自前のAIファクトリーを建てると、これまでパブリッククラウドが隠してきた問題が浮上する。Grace Blackwellチップのラックは、従来の空冷を破綻させる密度で電力を消費し、ラック当たり100キロワットをはるかに超える。十分な空気を動かすには、サーバー内にハリケーン級の風を通す必要がある領域だ。計算資源が集中型のハイパースケールキャンパスから、ソブリンAIや企業のサイトへ移るほど、機器が自らを焼き尽くさないよう誰かが維持しなければならない。その「誰か」は、液冷・配電・熱管理を売る企業であり、受注残がこれから来るものを示している。

Vertivは2026年を、過去最高の150億ドル(約2.42兆円。1ドル=161円換算)の受注残(前年比109%増)で迎えた。第4四半期の受注は252%急増した後の数字である。これはクリック1つでキャンセルされる小売製品ではない。資本は、完成までに数年を要する設備能力へとコミットされており、契約後に手を引けば、数十億ドル(数千億円)規模のデータセンター計画の工程が頓挫する。

この支出は、今週どのモデルが合法かには左右されない。ケベックのデータセンターには、米国製モデルを動かそうと自国製モデルを動かそうと、同じ冷却ループが必要だ。EquinixやDigital Realtyのようなデータセンター事業者は、まさにこの隙間を埋める高密度キャパシティを拡大している。政治的な争いはモデル層で起きる。だが冷却費用は、誰が勝とうと支払期日が来る。

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