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資産運用

2026.07.05 15:30

女性は男性より「投資が上手」な理由とそれでも資産形成で不利になる理由

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メディアの見出しで「女性は男性より投資が上手だ」と報じられることがある。そしてそこでは「女性は売買回数が少ない」「回転売買が少ない」「取引コストの負担が小さい」「リスク調整後リターンが高い」といった理由を挙げる。

なぜ、女性のほうが投資がうまいのだろうか。

そう単純な話ではない。女性投資家の「勝利」を宣言しながら、なぜ女性の株式保有が少ないのかを無視すれば、性差を性別対立にすり替え、要点を見失う。問うべきは、女性のほうが男性より賢いかどうかではない。

より重要なのは、「女性としての生活」を送る人々が、なぜ株式市場へのエクスポージャーが小さく、資産が少なく、老後のリスクが大きくなりやすいのか、という点だ。

その原因は、生物学的な性差や育児の有無だけではない。女性は生まれつき臆病で、男性は生まれつき大胆だという話でもない。鍵になるのは、所得、世帯構造、負債、権力関係、そして個人があたかも単身で生きているかのように扱う年金制度の設計だ。

女性投資家は高くつくミスをしにくい

最も確かなエビデンスが示すのは、女性が長期リターンを損なうミスを犯しにくいということだ。Brad BarberとTerrance Odeanによる古典的研究「Boys Will Be Boys」は、男性は女性より45%多く取引していたと報告した。取引によって男性の手取りリターンは年2.65ポイント低下したのに対し、女性は年1.72ポイントの低下にとどまった。説明は行動面にある。男性は銘柄選択や売買タイミングの能力を過信しがちで、その自信が売買という動きになり、動きがコストとして表れた。

Fidelityの「2024 Women And Investing Study」は、さらなるエビデンスを加えている。女性は男性と比べて、自分を「積極的な投資家」と表現する傾向が低く、相場の変動局面で投資を売却したり、市場から資金を引き揚げたりすると答える割合も低かった。Wells Fargo Advisorsの女性と投資に関する調査は、女性主導の口座のほうが男性のリターンより変動が小さく、リスク調整後リターンが高いことを見いだした。

慎重に言えることは、女性は次の4つの測定しやすい指標で優位に見えるということだ。取引が少ない、回転売買が少ない、取引関連コストが小さい、過信に基づくマーケットタイミングが少ない。これが重要なのは、不要な取引は、割高で買って割安で売る機会を増やし、その都度コストも発生するからだ。数十年という時間の中で、そのコストは複利で貯蓄者に重くのしかかる。

女性が株式をあまり保有しないのは、「女性としての生活」を送っているから

独身女性は独身男性より株式市場に参加しにくい。参加しても、ポートフォリオに占めるリスク資産の比率は小さいことが多い。この事実は、女性が本質的に男性よりリスクを望まないからだ、と解釈されがちだ。2012年の論文は、標準的なリスク投資ゲームで女性の投資額が小さく、男性より金融リスク回避的に見えたとし、広く引用されている。

次ページ > 株式投資のギャップは複利で広がり、資産形成を傷つける

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