リーダーシップ

2026.06.20 06:20

テニスの戦略が教える、理事会リーダーがラリーの先を行く方法

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私は生涯にわたり熱心なテニスプレーヤーであり、そこから得た学びはコートの内外でかけがえのないものだ。テニスは、最良の形ではコミュニティを築くための媒体であり、その確信が私の行動のすべてを支えている。

私は4つの州にまたがるコミュニティでテニスへのアクセス拡大に取り組む非営利団体を率い、複数の非営利団体の理事会にも参加している。そのなかで、効果的なプレーと効果的な理事会ガバナンスの規律が驚くほど並行していることが見えてきた。どちらも、戦略的な先読み、厳密な自己評価、そして結束したチームの一員として成果を出す力を求められる。

優れたテニスプレーヤーと理事会メンバーはともに、私が「スタジリティ」と呼ぶ、安定性(stability)と機動性(agility)を組み合わせた姿勢を受け入れている。次に何が起きるかを予測し、絶え間ない変化に対処するためだ。そして今日、非営利セクターで起きている変化の速度は途方もない。ガバナンスの観点でのスタジリティとは、受託者責任と中核ミッションを尊重し、それを拠り所にしながら、構造としてはイノベーションに開かれていることを意味する。AI変革、資金調達環境の変化、利害関係者の期待の進化という状況のなかで、指名委員会が組織運営を前に進めるために積極的に求めているのが、まさにこの種の理事会構成である。

CEOとして、私は組織がどこへ向かうべきかを判断する際、理事会を助言者として頼りにしている。理事としては、組織に貢献し、有用で実践的な助言を提供したい。私の非営利団体の理事会メンバーについては、テニスの経験があることが望ましいが必須ではない。ただし、プレーヤーとして私が得た次の3つの教訓は、すべての理事が恩恵を受けられると考えている。役割の明確化、すなわちCEOはオペレーター、理事会は戦略的助言者であり受託者責任の担い手であるという整理こそ、健全なガバナンスの土台である。

1. 反応するな——先読みせよ

コートでショットを打つたびに、相手がどう返してくるか、そしてその次の動きに自分がどう反応するかを予測する必要がある。理事会に参加していると、リアルタイムで反応するわけではないが、自分に向かって何が来るかを予測しなければならない。パターンに注意を払い、トレンドの数歩先を行くよう心がけよう。

データから見えているパターンと、組織が取りたい戦略的方向性について理事会に情報提供するのはCEOの仕事である。グローバルな視点、すなわち「上空30,000フィート」からの俯瞰を理解し、日々の些末事に埋没しないようにするのは理事会の仕事だ。

私は月に1回、理事に電話をし、KPI、財務健全性の指標、セクターのトレンド、そして私自身の戦略分析をまとめた書面の報告書を提供している。これにより、理事会が助言を求められる前に常に文脈を持てるようにしている。理事会の会合前には、私のチームとともに、最新情報を反映した戦略パケットを取りまとめて共有する。

理事会は優先事項を行き来するうちに、戦略的なむち打ち状態に陥りやすい。現在、私の非営利団体の理事会は、AI変革とガバナンス、資金調達とブレンデッド・ファイナンス戦略、官民パートナーシップの形成など、長いリストの能力領域に注力している。理事は、それぞれの小さな意思決定が、私たちのミッションと戦略という大きな文脈のなかでどのように位置づくのかを理解する必要がある。

前進し続けよう。テニスでは、動きを止めることはない。次のショットに備えて常にポジショニングしている。理事会の場でも同様に、過去ではなく未来を絶えず考えるべきだ。

2. データを検証し、調整せよ

テニスでは、現在の環境のなかで自分の強みと弱みを見極め、その場で戦術を調整することを学ぶ。理事会でも、ある方針に賛成するか反対するか助言する前に、最新のデータをレビューする。同じくSWOT分析を行い、孤立した判断ではなく、情報とデータに基づく意思決定を下すべきだ。

数年前、私とチームは数字を精査し、パシフィック・ノースウエスト地域でテニスを成長させるには、屋内コートを増やす必要があると気づいた。130万人超のアクティブプレーヤーと100万人の関心層がいるのに、屋内コートは585面しかなかった。また、需要に応えるために新たなコートを建設し続ける資金も能力もなかった。

この課題には創造的でスケール可能な解決策が求められ、理事会がそれを実現した。人脈と分野横断の専門性を生かし、理事たちは学校、コミュニティ組織、同業の非営利団体、政府機関との官民パートナーシップを見いだして動かすことを支援し、新規建設の費用をかけずに既存の屋内コートへのアクセスを大きく拡大した。

3. チームとして勝て

ダブルスでは、コート上をチームとして動く。互いに異なる強みを持ち寄り、相手の直前のショットを踏まえて角度や機会を検討し、各シナリオにおける確率の高いショットを計算しながら、確率に基づいてともにプレーする。

成功する理事会もまた、結束したチームである。各メンバーが、人々が自分の「スーパーパワー」を発揮できる文化づくりに貢献する。遠慮は不要だ。悪い質問などない。発言し、貢献しよう。それが、ここにいる理由である。CEOの仕事は、このチーム環境のなかで、すべての理事が自信を持ち、安心していられるようにすることだ。

初めての理事会に出席するとき、あるいは率直に言えばどの理事会であっても、歓迎され、評価されていることを理解して臨むべきだ。任期や背景にかかわらず、すべての理事の視点が聞かれ、尊重される包摂的な文化を築くことは、それ自体がガバナンスの責務であり、単なるソフトスキルではない。

ベースラインに立っていようと理事会の会議室にいようと、継続する変化のただ中で前進し、繁栄するには安定性が必要である。ミッションと価値観に集中せよ。それ以外は、大局的な目標に仕える形で機動的に保つことだ。AIの導入から資金モデルの進化に至るまで、非営利セクターにおける変化のペースが加速するなかで、最も大きな違いを生み出す理事会とは、スタジリティを体得した理事会である。ミッションに錨を下ろし、戦略では適応的であり、インパクトの追求に執拗であることだ。

forbes.com 原文

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