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2026.06.19 17:16

異世界アニメの黄金時代は終焉へ 米国と世界が求める新たなジャンル

Timon - stock.adobe.com

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アニメ企業は、異世界アニメの黄金時代が終わり、生産が減少すると見込まれるなかで生じる空白を埋めるため、別ジャンルに活路を求めている。

日本有数のエンターテインメント・コングロマリットであるKADOKAWAは、ファンタジーのサブジャンルへの過度な依存が、国内出版事業の落ち込み要因の1つであることを、直近の決算資料で認めた。異世界とは、登場人物が別の世界へ転移する物語を指し、2021年にアニメ制作が上向きに転じた。同年、同社はTIFFCOMのセミナーで同ジャンルの可能性をアピールしていた。

だが隆盛から5年が経ち、国内外の視聴者は次へ進む準備ができている。

質より量のタイトル乱発

出版社、プロデューサー、プロモーターとして、KADOKAWAには競争上の強みがある。作品が漫画化される前に、小説の売上を見て人気作を容易に見極められるからだ。さらに、次の媒体へ展開する過程でも、既存の各フォーマットでのマーケティングを押し進めることで、フランチャイズのプロモーション期間を延ばすことができる。

小説の刊行開始から漫画化や脚本化に至るまで、このコングロマリットは、盤石なメディアモデルと尽きることのないコンテンツの貯蔵庫を併せ持っていた。

しかしKADOKAWAは、これが多様性の欠如につながり、「小説企画の減少と新ジャンルへの取り組み低下」を招いたと、いまでは認めている。ベストセラー創出への投資にもかかわらず、結果は逆で、「独創性や品質に欠けるタイトルの増加」につながったという。

これはフランチャイズ型メディアミックスの最上流で起きていたことで、映画・アニメ事業にも波及し、純売上高は前年比で5.6%減少した。KADOKAWAの本業による利益である営業利益も、国内売上の減少と「海外ストリーミングのライセンス」により低下した。つまり利益は出しているが、前期より小さかったということだ。

2025年度について、このエンターテインメント大手は、差異の理由を「新たなヒットシリーズの育成を目的とした」新作アニメへの投資だと説明している。

1クールあたりの異世界アニメの本数が多いことを踏まえれば、この発言は、視聴者をつかめなかった新規フランチャイズで市場が飽和していることを意味している可能性がある。成功した異世界アニメの続編が制作に追われる一方で、同社は継続的なリターンを追うべく新たな異世界フランチャイズへ投資した。ジャンルが薄く広がることで、相対的に利益が低くなった可能性もある。

KADOKAWAのパイプラインにおける初期の成功指標であった「異世界小説」が落ち込んでいることを踏まえると、今後は異世界アニメが減るという結論が妥当だろう。とはいえ当面、2026年は過去4年と同水準になる見込みだ。今年は、公開日未定の今後の2作品を含め、33作品となる。

KADOKAWAの「異世界」ファンタジーアニメに対する姿勢は、今年完成する作品には影響しないだろうが、今後数年には影響を及ぼす可能性がある。同ジャンルへの消費者の関心は、年間少なくとも30本という過剰供給で市場が飽和するにつれ、しぼんでいった。

海外で支持されるアニメシリーズ

KADOKAWAは今後も異世界アニメの企画決定と制作を続ける。2026年に公開予定の作品も数多い。

『Re:ゼロから始める異世界生活』は2025年におけるKADOKAWAの最も売れたフランチャイズであり、今年のCrunchyroll Anime Awardsで「Best Isekai Anime」を受賞した。同ジャンルで高い実績を挙げたシリーズには、『陰の実力者になりたくて!』、『盾の勇者の成り上がり』、『無職転生 ~異世界行ったら本気だす~』がある。

特筆すべきは、アニメ・映画セグメントに限ると、『【推しの子】』が純売上高で全タイトルを上回っている点だ。

2024年決算資料に掲載された、KADOKAWAの有望アニメタイトルの昨年のリストと比較すると、『盾の勇者の成り上がり Season 4』、『新 パンティ&ストッキングwithガーターベルト』、『紫雲寺家の子供たち』など、一部タイトルは実際の売上が想定に届かなかった可能性がある。

KADOKAWAは、2025年Q4が好調だった主因として、『【推しの子】』の第3期、『メダリスト』、『勇者刑に処す』を挙げている。海外売上は2025年Q3に比べて3倍となった。これは、多様なシリーズが世界規模で国際的な集客力を持つことを示している。

総じて、異世界を含む新作本数が増えたにもかかわらず、KADOKAWAのアニメ事業における2025年度のQ1〜Q3の純売上高は、2024年度に比べて明らかに低かった。

アニメのアーカイブ、そしてその先へ

影響力の大きいこのビジネス巨人は、異世界の代替として次にどこを目指すべきか。Grand View Researchによる2024年のレポートは、世界で売れた漫画の上位が主に少年漫画で占められていることを示した。同レポートには、オリコン、ComiXology、Publishers Weekly、Book Depository、Retail Reportなどの世界的ソースから集計したデータが含まれる。

アニメ化が継続中、もしくは直近でアニメ化された『ブルーロック』、『呪術廻戦』、『【推しの子】』などが上位に並んだ。しかしそれ以外に目を向けると、次の40作品は大半が2000年以前に刊行された漫画だった。

『ゴルゴ13』や『ドラゴンボール』のように米国の視聴者にも馴染み深いものもあるが、英語ではまったく入手できず、近年のアニメ化もない作品もある。たとえば井上雄彦の『バガボンド』、田中宏の『BADBOYS』、森田まさのりの『ろくでなしBLUES』がそうだ。

とはいえ、既存作品の獲得競争は依然として激しく、追いかけられるブランドやフランチャイズの数は限られている。適応可能なIPのプールが縮小していることが、甲斐谷忍の『LIAR GAME』や、篠原千絵の『天は赤い河のほとり』のようなヴィンテージ漫画が相次いでアニメ化され始めた理由だという見方もある。

KADOKAWAもこの潮流を捉え、過去にアニメ化されたシリーズであっても、リブートの機会を見いだしている。同社は、古典的で伝説的な作品に「周年戦略」を適用し、「蓄積したIPの再活性化」を通じて多角化と拡大を図る意向だ。

それでも同社には、スタジオとしての知名度を高めるためのオリジナル作品制作という、意欲的な構想がある。「ローカル発のオリジナルIPの創出」や、コンテストなどを通じた世界のクリエイターの発掘がそれだ。KADOKAWAは、キネマシトラスと手がけるオリジナルアニメ新作『さよなら、ララ』にリソースを投じている。

シカゴのAnime Centralで開催されたパネルで、オンラインと現地の双方から強い支持が寄せられたことを受け、『ララ』は今年のAnime Expoでも米国でのプロモーションを継続する。

この点を踏まえると、企業は固有のフランチャイズの勢いだけに頼るのではなく、常にアニメシリーズの世界向けプロモーションを考慮すべきだ。日本国内で人気のシリーズでも海外では火がつかないものは多い一方、バイラルになった『しかのこのこのここしたんたん』のように、口コミで広がる作品もある。プロデューサーの川村涼真は、「赤いN社」に対し、オリジナルSFアニメ『ムーンライズ』の宣伝を求める訴えを行ったことでも知られる。

結局のところ、WIT STUDIOの同作は、2025年に公開された200本超のアニメシリーズのなかに埋もれてしまった。もし『ララ』と同水準のプロモーションを受けていれば、『ムーンライズ』は季節のヒット作になり得たはずだ。

完全新作のオリジナルストーリーにも、古い漫画や小説にも、明確な機会はある。だが、かつては鉄板だった異世界ジャンルへのアニメ業界の過度な依存は、もはや限界に達している。

forbes.com 原文

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