経営・戦略

2026.06.19 14:45

「エンゲージしている」のに辞めていく──従業員定着の新指標とは

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長年にわたり、従業員エンゲージメントは、組織の健全性や従業員の満足度を測る主要な指標とされてきた。企業はこれを綿密に追い、リーダーは頻繁に言及し、改善を軸にした戦略が組み立てられてきた。前提はシンプルだ。従業員がエンゲージしていれば、離職しにくい。ところが、私の会社Firstupがまとめた「北米における従業員エンゲージメントの現状」レポートは、まったく異なる姿を明らかにした。

私たちは、3000人以上のオフィスワーカー、時給制従業員、時給制従業員のマネジャーを対象に調査を実施した。各グループの大多数が職場で「エンゲージしている」と回答した一方で、同じ回答者の多くが1年以内に退職を予定していた。その割合はそれぞれ43%、40%、46%である。

この数字が示すのは、現在の測り方では、エンゲージメントがもはや定着を示す信頼できる指標ではないということだ。書類上は整って見えても、捉えているのは特定の瞬間における従業員の感情にすぎない。日々の仕事やカルチャーが実際にどう感じられているかは反映されない。

「明確さ」の欠如がエンゲージメントを損なう

エンゲージメント測定の大きな問題は、従業員が高い水準を自己申告しやすいことにある。彼らは「エンゲージしている状態」がどう見えるべきかを知っている。会議に出席する、迅速に返信する、サーベイに参加する、会社の目標と足並みを揃えていると表明する。だが、そうした行動が、仕事が明確で、管理可能で、持続可能だと従業員が感じていることを必ずしも意味しない。絶え間ないアップデート、変わり続ける優先順位、情報の流入に対応する中で、忙しく反応的でありながら、日常的な摩擦を十分に抱えていることは十分あり得る。

従業員が残るのか離れるのか、その要因をより詳しく見ると、シグナルは「仕事がどう進められているか」に向かう。私たちのデータでは、主因は不安定な組織構造にある。たとえば、役割により61%〜67%の従業員が、方針や手順に関する重要な更新情報を取りこぼしているという問題を報告した。その結果、答えを探し回る時間が増え、作業のやり直しが発生し、十分な文脈がないまま意思決定を迫られる。こうした誤ったコミュニケーションは、ストレスと生産性損失の主要因になり得る。

これは単なるカルチャーの問題ではない。摩擦と疲労を雪だるま式に増幅させる、オペレーションの破綻である。従業員は仕事に強い思いを持ち続け、「エンゲージしている」と口にしながらも、実務がどう回っているかをめぐる摩擦に静かに圧倒されていく。そして時間の経過とともに、その疲労が人を職場から押し出す。

マネジャーはしばしば板挟みになる

こうした問題が最初に、そして最も明確に表面化するのがマネジャーとの関係性である。人のリーダーであるマネジャーには、戦略を日々の実行に翻訳し、質問に答え、チームの足並みを揃えることが求められる。しかし当人も同じ情報ギャップの中で動いている。多くの組織で、マネジャーは事実上「コミュニケーションのラストワンマイル」になっている。経営層と従業員の間の通訳として機能し、更新情報を補強し、混乱を解きほぐし、チームの整合を保とうとする。だが、それを一貫して行うための仕組みや支援が欠けていることが多い。コミュニケーションが崩れると、答えを持たないまま、マネジャーが穴埋めを迫られる。

この不一致は恒常的なプレッシャーを生み、その負荷はマネジャーがチームを率い、自身のパフォーマンスを維持することを難しくする。この力学は、双方の燃え尽きと離職に直接つながる。ギャラップの「State of the Global Workplace 2026」が、マネジャーのエンゲージメントが近年で最も低い水準にあると示しているのも不思議ではない。

エンゲージメントを「最重要指標」にしてはならない

だからといって、エンゲージメントが重要でなくなったわけではない。従業員がどう感じているかを理解することは、常に極めて価値がある。しかし、エンゲージメントだけでは、誰が残り、誰が去るのかを予測する信頼できる方法にはならない。では、リーダーは代わりに何に注目すべきか。私たちの調査では、いくつかのシグナルが際立った。

明確さ:従業員は、仕事をするために必要な情報を、明確で、直接的で、適時に得られているか。人は十分な情報があれば、より良い意思決定ができ、会社の優先事項とのつながりも感じやすくなる。

チェンジマネジメント:組織は新しいツール、戦略、期待によって絶えず変化している。だが従業員は、何が変わり、それが自分の役割に何を意味するのかを理解しているか。明確なコミュニケーションがなければ、不確実性は瞬く間に増大する。

一貫性:従業員体験は役割や拠点をまたいで同じか、それとも一部のグループが常に取り残されているのか。コミュニケーションのギャップは、まず組織の周縁で顕在化しやすく、離職率の高さと相関することが多い。私たちの「Navigating the Perfect Storm」レポートでは、これは特に現場のデスクレス従業員で顕著であることが分かった。

これらのデータはエンゲージメントスコアより測定が難しいが、定着の予測力ははるかに高い。

誤ったコミュニケーションは、従業員体験の問題にとどまらない。生産性、コンプライアンス、定着に影響する。チームメンバーが必要な明確さを得られなければ、仕事は遅れ、リスクは増え、苛立ちは積み上がる。だが、そうしたことがエンゲージメントサーベイに必ずしも表れるとは限らない。従業員が残るつもりかどうかを知りたいなら、日常的に「仕事がどう感じられているか」を見直してほしい。

forbes.com 原文

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