国際交渉のコンサルティングを行うYouWorld代表取締役の松樹悠太朗氏が、日本の政治家の海外での英語による発信、発言を分析し、日本のビジネスパーソンが学べるポイントについて考えるシリーズ、今回は政治家スピーチを素材に、日本人がすぐにでも改められる英語発音、ほかについて考える。
主張を瞬時に整理し、論理構造を保ったまま応答できるか
英語と日本語では、前提とする文脈の置き方が大きく異なる。筆者はこれを「コンテクスチュアル・ランゲージ」という視点から論じてきた。以前、取り上げた大谷翔平選手の通訳スタイルの違いについての記事でも触れたが、英語はよりストレートな表現を好み、日本語は行間を共有することを前提とする傾向がある。
たとえば高市首相は今後、国際会議や質疑応答の場が増えれば、準備された原稿だけでなく、即興的な応答が求められる場面もさらに増えるだろう。その際に問われるのは回答内容はもちろんのこと、それに加えて英語のコンテキストに沿い、「主張」を瞬時に整理し、論理構造を保ったまま応答できるかどうかである。コンテクスチュアル・ランゲージの観点から言えば、異なる言葉の使い方の中でいかに誤解を生まずに伝えるかが鍵となる。
こうした背景を踏まえると、2025年10月のASEAN首脳会談での英語スピーチは、今後の国際舞台での首相の発信を読み解く一つの手がかりになるだろう。加えて、時間が経ち様々な意見が共有された今だからこそ、このスピーチを、「発音」、「コンテクスチュアル・ランゲージ」の視点から改めて見てみたい。そこには、日本のビジネスパーソンが学べるポイントが多くあるからだ。
では早速、この英語スピーチから学べるポイントを見ていこう。
「r」「l」は難易度高い、まずは日本語にもある音「g」「z」から
まず一つ目は発音に関してである。発音を整える目的は、より多くの人に通じやすい英語を話せるようになることだ。



