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消費経済:小売業とそれを改革する人々について執筆

Olga Vidisheva, founder and CEO, Shoptiques.

若く勢いのある起業家が名を連ねるフォーブスの「小売業界のアンダー30」の中でも、オルガ・ヴィディシェヴァは抜きん出た存在だ。キルギス共和国出身、現在30歳の彼女は、ニューヨークを拠点とする急成長中のファッションECサイトShoptiquesの創業者CEOである。

ヴィディシェヴァは17歳の時、中央アジアのキルギスからニューメキシコ州アラモスに移住。寝室が一つしかない公営アパートで育った彼女は、母国の市場経済化や混乱を横目に、新天地アメリカで成功することを決意した。移民した当初、英語が全く話せなかった彼女は、寿司レストランでウェイトレスとして働きながら英語を習得し、ボストンのウェルズリー大学で経済学と数学を専攻。卒業後はゴールドマン・サックスでキャリアを積み、ハーバード・ビジネススクールのMBAを取得した。

世界中の街角にある個性的な中小ブティックの商品を集めたサイトShoptiqueを立ち上げたのは2011年。Shoptiquesは各ブティックの商品をサイト上で販売し売上の一部を受け取るかわりに、商品撮影やクレジット決済、配送、ウェブホスティング、メールマーケティングなどのサービスやツールをブティックに提供する。扱うブティック数はローンチ時こそわずか25軒だったが、現在は5か国2,000軒を超える。売上も年々急増しており、2014年の売上は前年から700%増の300万ドル(約3億6,250万円)。2015年の売上目標は2,000万ドル(約24億1,600万円)だ。

Shoptiquesは、これまでに名門VCのアンダーセン・ホロウィッツ、グレイロック・パートナーズ、Yコンビネータなどから資金調達を受けてきた。ローカルなブティックを世界の消費者(現状では米国、カナダ、イギリス、フランス、オーストラリアの5カ国で展開)に向けて発信するShoptiquesの成長の過程を聞いた。

――2011年にShoptiquesを立ち上げたきっかけは?
ゴールドマン・サックスで働いていた時、出張でパリに行き、ブティックを見て回っていた時のこと、ある一軒のお店で最高に素敵な靴を見つけて買い求めました。帰国後、そのお店の商品をもっと欲しくなって検索したら、なんとウェブサイトがなかったのです。とても残念な気持ちになりました。
数年後、ハーバードのビジネススクールに進んだ私は、800軒以上のブティックで聞き取り調査を行いました。なぜネットを活用しないのかという質問に対する経営者たちの答えはほぼ同じで、皆デジタルの世界に苦手意識を持っていました。私はこれらのお店の力になりたいと思ったのです。そこで大学院を出た後にShoptiquesのベータ版を立ち上げたところ、非常にポジティブな反響があり、ブティックと消費者の両方がこのプラットフォームを求めていると確信しました。

――立ち上げてからの4年間でShoptiqueはどう変わりましたか?
この4年で契約店数も顧客数も急増しましたが、事業を拡大することができたのはテクノロジーのおかげです。Shoptiquesではあらゆる人のニーズに応えられるよう、幅広い価格帯、テイストの商品を取り揃えています。ビッグデータを活用するようになったのは最近ですが、これによってサイトのパーソナライゼーションが可能になりました。
クラウド・コンピューティングにも助けられています。検索や決済には他社が開発したトップレベルのツールを活用しています。クラウドを導入したことで、私たちはすべての業務の専門家である必要はなくなり、Shoptiquesらしさを追求することができるようになりました。

――Eコマースの将来をどのように見ているか?
これからはEコマースの「E」を外して考えるべきです。オムニチャネル(企業があらゆる経路で顧客と接点を持つこと。消費者がいつでもどこでも買い物できる環境を指す)な購買体験が求められている今、実店舗で試着したい顧客と、地球の裏側にあるお店の商品をツイッター経由で買いたい顧客を分けるのはおかしい。どうすればすべての顧客のニーズを満たせるかを考えるべきです。小さなお店の経営者が世界を相手に商売することを可能にしてくれるもの、それがテクノロジーなのです。

文=クレア・オコナー( Forbes)/ 編集=海田恭子

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