トランプ外交が加速させた採掘権交渉とその弱点
トランプ大統領の取引重視の外交は、協力の幅を広げ、交渉を安全保障の観点から再定義することで、重要鉱物に関する交渉の初期段階に新たな活力を吹き込んだといえるだろう。取引の成立を重視する姿勢によって採掘権や投資枠組みをめぐる議論が加速している。いくつかの地域ではこれまで西側諸国の関心を集めるのに苦労していた政府が今では米国の当局者や金融関係者、鉱業経営者の訪問を受けている。
そうした勢いは大きなものだが、それだけでは十分ではない。同時に意図せぬ弱点も生み出している。あまりにも多くのプロジェクトがより大きな産業エコシステムの一部としてではなく、個別の取引として扱われている。中国の「一帯一路」構想に相当するような調整の体制はない。その結果はすでに世界各地で顕在化している。
ロビト回廊とコンゴで停滞する米国の支援
西側諸国の代表的なインフラ構想の1つとして浮上しているのがロビト回廊だ。この回廊は中央アフリカの銅とコバルトの生産地をアンゴラ経由で大西洋の輸出市場へ結び付けることを目的としている。戦略的には中国のインフラへの物流依存を減らし、鉱物輸出の代替ルートを構築することが狙いだ。こうしたビジョンは魅力的だが、実施と進捗の状況は芳しくない。
資金拠出には依然としてムラがあり、インフラの建設は遅々として進んでいない。また、投資家たちは回廊周辺で産業基盤の整備が本当に実現するのか疑問視し続けている。米国の協力の後れは当然視されており、このプロジェクト自体も米国の気まぐれな政策や不十分な計画によって米国の投資や支援が徐々に縮小することを公然と折り込んでいる。ロビト回廊の主要な受益国の1つであるザンビア政府はかつてこの計画が中国の影響力を削ぐことを期待していたが、もはやそのような前提では動いていない。
コンゴ民主共和国はさらに明確な態度をとっている。前政権が中国との関係を深めた後、コンゴは米国および西側諸国との関係強化を積極的に追求してきた。これは「重要鉱物外交」の初期の事例の1つであり、その枠組みでは投資と支援が約束されていた。現地のリスクを認識した上で、鉱物資源が豊富でありながら政情が不安定なコンゴ内陸部は中国に対抗するための手段となるはずだった。だが現在までのところ、その手段の活用は極めて限定的で、コンゴのコバルトや銅といった重要分野において中国は依然として優位性を維持している。


