全14項目からなる覚書の内容
全14項目からなるこの覚書は、米国とイランがそれぞれの代理勢力や同盟国を含め(これにはレバノンも含まれる)、「すべての戦線における軍事作戦の即時かつ永久的な停止」を宣言することから始まっている。また、覚書には最終合意をもってこの紛争が完全に終結する旨が記されている。レバノンへの言及や、同国の「領土の保全と主権」の確保を明記した一文は、レバノン戦線を合意から除外すべきだとするイスラエル側の主張を退けたものだ。米国とイランは互いの「主権と領土の保全」を尊重することに同意し、「相互の合意によって延長可能な、最大60日以内での最終合意の交渉および妥結」を確約している。
イランは、ホルムズ海峡通航に関して「60日間に限り無償」とする義務
米国はイランの港湾に対する海上封鎖を終了し、世界の石油の20%が通過するホルムズ海峡の通航は開戦前の水準へと戻される。合意に基づき、イランは船舶や石油タンカーのホルムズ海峡通航に関して「60日間に限り無償」とする義務が課される。この文章が、将来的にイランが同海峡の通航料を徴収することを容認したものであるかどうかは不透明だ。また、イランは船舶通航の妨げとなる技術的・軍事的な障害物を取り除き、機雷の撤去を行うことも求められている。
イランが国際市場で再び原油を自由に販売できるようになる
米国側が提示した最大の譲歩は、イランが国際市場で再び原油を自由に販売できるようになるという点だ。トランプ政権はイランへの制裁自体を即座に解除するわけではないものの、合意文書には、米財務省が「イラン産の原油、石油製品およびその派生物の輸出、ならびに銀行取引、保険、輸送などを含むすべての関連サービスに対して制裁の適用免除を発行する」と明記されている。
イランは「核兵器を調達または開発しないことを再確認する」
この協定の中で、イランは「核兵器を調達または開発しないことを再確認する」と表明した。双方は、イランが現在保有している高濃縮ウランの在庫について、双方が合意できる解決策の策定に着手する。少なくとも、イランは保有する核物質の在庫を「国際原子力機関(IAEA)の監督のもと」、現地で低濃縮化または希釈することが義務付けられる。この運用の詳細については最終合意で決定される。
イランに対する約48.4兆円規模の基金と、凍結資産の解除
合意によると、米国とその湾岸同盟諸国は、「イラン・イスラム共和国の復興と経済開発のために、少なくとも3000億ドル(約48兆4100億円)規模の、相互に合意された最終計画の策定」に着手する。トランプはこの基金に対して米国が資金を拠出するという考えを公に否定しているが、他の湾岸同盟国が資金を積み増すことは妨げない方針を示した。さらに米国は、今回の覚書が実行に移され次第、少なくとも240億ドル(約3兆8700億円)規模の価値があると推定されている凍結されたイラン資産を「全面的に利用可能」とすることにも同意した。


