経済

2026.06.19 10:30

ホルムズ海峡が再開しても、ガソリン価格は「イラン攻撃前の水準」には戻らないかもしれない 米国

stock.adobe.com

市場はすでにこうした好材料の多くを価格に織り込み済みであり、そこにリスクがある。市場は外交上の突破口が、海上輸送の迅速な正常化、原油価格の下落、インフレ圧力の緩和、経済情勢の安定などに直結すると想定している。だが、合意の詳細が明らかになり、タンカーの航行が正常な水準に戻る前に、そこまで想定するのは早計かもしれない。

advertisement

期待外れに終わる可能性はいくつかある。合意の履行にばらつきが出たり、海上輸送保険料が高止まりしたりするかもしれない。中東において安全保障上の懸念が継続する場合もあれば、枯渇した在庫の補充をめぐって各国の競争が激化する事態もあり得る。こうした要因のいずれかによって、原油・ガソリン価格の下落が鈍ることが考えられる。

かといって、再び価格が高騰するということでもない。単に、実需の動向が正当化できるよりも早く市場が「恐怖」から「安堵」へと移行してしまった可能性があるということだ。

石油市場は電気のスイッチのように切り替わらない

イランとの合意がより大規模な戦争のリスクを軽減し、ホルムズ海峡の再開を可能にするのであれば、朗報だ。紛争中に極端な水準に達した原油価格を引き下げる一助となるはずであり、消費者はこれを歓迎すべきだろう。

advertisement

しかし、石油市場は電気のスイッチのようにはいかない。ホルムズ海峡が再開されたからといって、即座に在庫が補充されるわけではないし、タンカーの滞留がすぐさま解消されるわけでもない。保険リスクが消滅するわけでもなければ、ガソリン価格が攻撃開始前の水準に自動的に戻るわけでもない。

ガソリン価格が永遠に危機的な水準にとどまることはないが、開戦前の水準に戻るまでには多くの消費者が予想するよりもはるかに長い時間がかかるというのが最も起こり得る事態だ。

ガソリン価格は下落している。それは事実である。しかし、在庫の低下と補充需要、物流リスクの長期化といった強気材料は消えていない。これらの問題が解決されるまで、市場がドライバーたちの期待するような迅速で完全な安堵感をもたらすことはないかもしれない。

forbes.com原文

翻訳・編集=荻原藤緒

タグ:

advertisement

ForbesBrandVoice

人気記事