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食&酒

2026.06.23 07:15

スマホを触りながらコーヒーを飲むと酸味が変わる中央大の新発見

stock.adobe.com

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同じコーヒーでも、カップを変えると気分が変わり、味も変わったような気がする。それは単なる気のせいではないようだ。手の感触とコーヒーの味には関連性があることが、世界で初めて示された。

中央大学文学部教授の有賀敦紀氏と、研究当時大学院文学研究科学生だった久保夏海氏は、手触りがコーヒーの味に影響することを発見した。コーヒーカップの材質がコーヒーの味覚評価に影響することは以前から報告されていたものの、見た目や唇の感触などを排除して、純粋に手の感触だけを対象とした研究はなかった。

そこで有賀教授らは、紙ヤスリで作ったざらざらした感触のスリーブと、クラフト紙で作ったさらさらしたスリーブの2種類を用意し、それらを同じ種類のカップに取り付け、ブラックコーヒーを約115ミリリットル注ぎ、実験参加者92人に目隠しをした状態で飲んでもらった。

左が紙ヤスリのスリーブ、右がクラフト紙のスリーブ。カップはどちらも同じ。
左が紙ヤスリのスリーブ、右がクラフト紙のスリーブ。カップはどちらも同じ。

すると、ざらざらのカップで飲んだあとに、さらさらのカップで飲むと、コーヒーの酸味が弱く感じられることがわかった。ただし、その逆では変化が見られなかった。このことから、さらさらした手触りのカップでコーヒーを飲むと酸味が抑えられる可能性が示された。実験の方法から、純粋に手触りだけの影響と考えることができる。

左のグラフはザラザラのスリーブ、右はサラサラのスリーブで飲んだ結果。中央のacidity(酸味)に有意な差が見られた。
左のグラフはザラザラのスリーブ、右はサラサラのスリーブで飲んだ結果。中央のacidity(酸味)に有意な差が見られた。

また、カップを持つ手と反対側の手で、机に置かれた紙ヤスリやクラフトしに触れた場合でも同様の結果が確認された。つまり、ツルツルしたスマホを触りながら、またはざらざらしたテーブルを触りながらコーヒーを飲んでも、味わいが変わるというわけだ。

ただし、触りながら飲むことが重要だ。触るタイミングとコーヒーを口に入れるタイミングがずれると効果がない。この研究成果は、「自分好みの味わいを引き出すカップやスリーブを選ぶという新たな価値観につながる可能性」があると有賀教授らは話している。さらに、「マイカップやマイスリーブを持ち歩くといった、消費者個人の環境配慮行動を後押しする」ことが期待されるとのことだ。

酸味好きの人はザラザラ手触りのカップを、酸味が苦手な人はさらさらのカップを使えば、同じ豆で入れたコーヒーを仲良くシェアできそうだ。そんな効果を考えながらカップを選ぶのも楽しいだろう。

プレスリリース

文 = 金井哲夫

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