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起業家

2026.06.30 13:30

「深い意義のある問いに挑み続ける」ボーダレス・ジャパン田口一成が見いだしている希望の正体

田口一成|ボーダレス・ジャパン代表取締役CEO

田口一成|ボーダレス・ジャパン代表取締役CEO

Forbes JAPAN 2026年8月号は、「10代とともに『未来をひらく』」特集。激動の時代を切り拓く「アントレプレナーシップ」をテーマに、小学校、中学校、高校らの先生を対象にした「『アントレプレナーシップ教育 未来をひらく先生』100人」のリストをはじめ、世界No. 1アントレ教育のバブソン大学で「起業道」を教える同大学准教授・山川恭弘へのインタビューを掲載。世界最先端の超効率 A I 学習「アルファ・スクール」の衝撃についてアルファ・スクール共同創業者であるマッケンジー・プライスへの独占インタビュー。世界的人類学者・ティム・インゴルドへのインタビュー記事なども掲載し、10代とともにアントレプレナーシップのあり方、意義、その後の生き方までを考え、彼ら彼女らの新たな挑戦をエンカレッジする企画だ。

本特集は、30歳未満の30人にフォーカスした「30 UNDER 30」特集、「起業家ランキング」特集、「ベンチャー投資家ランキング」特集、優れた非営利組織に注目した「NPO50」特集、多彩なアントレプレナーたちに着目した「NEXT100」特集、テクノロジー領域で活躍する女性30人に光を当てる「Women In Tech 30」特集、社会性・経済性を両立させる「インパクトスタートアップ」特集をはじめ、社会を多彩なアントレプレナーシップで溢れさせるための企画シリーズの最新企画だ。

「人生の価値は、何を得るかではなく、何を残すかにある」世界15カ国で45事業を展開し、売上高100億円を超える。仲間たちと「群」で挑む、起業家・田口一成が語る現在地。


福岡・天神にあるボーダレス・ジャパン(以下、ボーダレス)のオフィスに到着すると、巨大な「HOPE」の文字に出迎えられた。オープンフロアでは、ソーシャルビジネスの事業責任者やメンバーたちが、本誌の表紙撮影の準備をしている田口一成に楽しそうに声をかける。軽口をたたいたり、スマホで写真や動画を撮ったりする人もいる。経営者とスタッフの間にありがちな距離は感じられない。

「威厳がないんですよ」。そう笑いながら田口は続けた。「でも、もちたくないですね、威厳は」。

ソーシャルビジネスで世界を変えることを目標に掲げ、田口が25歳で創業したボーダレスは2026年で20期目を迎えた。再生可能エネルギーに特化した電力の小売り事業を手がける「ハチドリ電力」や、バングラデシュの貧困層に雇用を生むことを目的に立ち上げたエシカルブランド「LIB」(リブ)など、世界15カ国で45のソーシャルビジネスを手がけている。24年度時点で、ボーダレスおよび出資企業の総売上高は100億円に到達した。

ボーダレスの最大の強みは、ソーシャルビジネスを次々に生み出す独自のエコシステムにある。理想の社会の姿を描き、より良い社会づくりに貢献したいという志をもつ人を採用する。そこから約半年間、現場の実務や研修を通じて事業開発の力を身につける。その先には、新たな事業の立ち上げに挑む者もいれば、既存事業の成長を担う者もいる。

多くのビジネスは市場規模や成長性を起点に始まるが、ボーダレスでは社会課題を深掘りするのが先だ。誰のどんな課題を解決するのか。課題の本質は何か。解決した先にある、理想の姿はどのようなものか。理想と現実との間に、どんなギャップがあるか。その原因と、具体的な対策は何か。これらの問いに答えながら、「ソーシャルコンセプト」を導き出していく。

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文=瀬戸久美子 写真=ヤン・ブース ヘアメイク=TOYO

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