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ユニクロはなぜ世界企業になれたのか…柳井正が乗り越えた「成長の壁」

Getty Images

ヒートテックは「構造変革」の産物だった

ここからのユニクロの歩みこそが、他社との決定的な違いとなった。

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同社は価格破壊路線にとどまることをやめ、ビジネスモデルそのものをつくり変える方向へと舵を切った。東レをはじめとする日本の最先端素材メーカーと深く連携し、テクノロジーを活用しながら「素材そのものの開発」から自社で手がける構造へと変革したのである。

その結果として生まれたヒートテックやエアリズムは、単に他社から仕入れた衣料品ではない。企画から製造、物流、販売までを一貫してコントロールすることで生み出された「製品」であった。

阿部はこのプロセスに、経営者の「思想の深さ」を見出している。

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単に目の前の数字を追う小売業の発想から脱し、「コア・フランチャイズ型ビジネスの宿命」を乗り越え、人々の生活インフラとなる製品を生み出すビジネス構造へと自らを進化させたこと。さらに、国内市場だけでなく、当初から世界市場を視野に入れて事業の設計図を描いていたこと。それこそが柳井氏の比類なき経営能力だった。

投資家やビジネスパーソンが学ぶべきなのは、表面的なヒット戦略ではない。企業が自らの限界をいかに乗り越え、深い思想を持って構造を変革していくかという実体のプロセスである。

スパークス・グループが投資先の実体価値を見極める際に重視しているのは「3つの輪」というキーコンセプトだ。

すなわち、①経営者の質(経営者が自らの商売をどれだけ深く理解し、誠実に取り組んでいるか)、②市場の成長性(その企業が属する市場に長期的な成長余地があるか)、③企業収益の質(利益を生み出すビジネスモデル=「収益の泉」がどこにあり、その泉の水量は十分か)の3つである。

注:記事中リンクから商品の購入などを行なうと、編集部に収益が入ることがあります。また事業者は、商品の選定や記事内容には一切関与していません。

文=清水孝章/スパークス・アセット・マネジメント株式会社

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