ユニクロが直面した「コア・フランチャイズの宿命」
投資家やビジネスパーソンから、「次のユニクロ(ファーストリテイリング)を見つけるにはどうしたらいいのか」という問いを投げかけられることは多い。世間の多くは、同社の爆発的な成長をフリースなどのヒット商品や、アパレル小売業としての成功モデルによるものと捉えがちである。
しかし、スパークス・グループ代表の阿部修平の最新刊『コンパウンドグロース投資 世界を牽引する日本の新時代』で彼が重視するのは、同社が成長の過程で直面した「コア・フランチャイズ型ビジネスの宿命」と、そこからどのように脱却したのかという本質的な変革のプロセスである。
1990年代、阿部が山口県小郡町にあったオフィスを訪ねた際、柳井正氏は「日本では唯一、小売業のなかでセブン-イレブンを尊敬しています」と語ったという。
当時のユニクロが徹底していたのは、セブン-イレブンのような均一で効率的なチェーン・オペレーションだった。
しかし、独自のシステムを確立したコア・フランチャイズ(あるビジネスモデルが成り立ち、効率的に収益を上げ始める最小単位)は、効率性を高める一方で、市場の変化に対応しづらくなるという宿命を抱えている。
事実、ユニクロも「低価格・多店舗展開路線」が市場のトレンドと少しずつずれ始めたことで、商品の在庫が大きく積み上がる局面を迎えた。出店ペースが鈍ると、さらに在庫が増えるという悪循環に陥る。
「普段着だからトレンドは関係ない」という前提は崩れ、出店ペースが鈍化したときのリスクが浮き彫りになったのである。



