時間がたつにつれ、人々はこの環境で成功するために何が必要かを理解していく。常に対応可能でいること。タフに振る舞うこと。個人的な事情を後回しにすること。周囲を不快にさせないよう、仕事の現場に「人間味」を持ち込まないようにすること。
ブロカルチャーの影響を軽視してはならない
大半の男性はこのリーダーシップスタイルを支持しておらず、それがもたらし得る害も目にしてきた。とはいえ、ブロカルチャーを拒むことは、職場での信用や社会的地位を損ねる場合があると、キャリアを通じて学んできたのかもしれない。
・たとえ不快なコメントでも笑い飛ばす。異議を唱えると「冗談が通じない」と受け取られるからだ。
・忠誠心を疑われることを恐れ、休暇からすぐ復帰したり、有給休暇をほとんど使わなかったりする。
・介護の課題を抱えていても隠して、それが仕事の妨げや要求に応えられないと見なされたり(さらに悪ければ「軟弱者」と受け取られたり)しないようにする。
・会議で熟考する姿勢が躊躇していると誤解される一方で、早口や強引さは決断力があると称賛される。
これらのシグナルが合わさって、どのような強さが認められ、どのような強さが見過ごされるのかを、誰もが学ぶことになる。
虚勢をリーダーシップと取り違えるコスト
ブロカルチャーは動きを生むかもしれない。短期的な成果を生むことさえある。だが、持続的なパフォーマンスの条件を整えることはほとんどない。
むしろ、チームは心の壁をつくり、本当の自分を隠すようになる。メンバーは助けを求めなくなり、協力するどころか競争し合い、気がつけば燃え尽き症候群(バーンアウト)の一歩手前まで追い込まれている。
ブロカルチャーはしばしば過信を招き、計算されたリスクテイクの欠如をあおり、こうした排他的なネットワークが存在する企業に深刻な財務上の影響をもたらす。その排他性が、社会心理学でいう「内集団(イングループ)」と「外集団(アウトグループ)」を生み、従業員間の分断を広げる。
結局のところ、優秀な人材は多くの場合、退職という出口へ向かう。サポートされていない、正当に評価されないと感じれば、人は組織への信頼を失うからだ。虚勢はリーダーシップではない。そして誰もが知るように、人が去るのは組織からではなく、リーダーからなのだ。
本当に必要なのは「何を評価するか」を変えることだ
だからこそ、より大きな環境には手をつけず、個人の行動を正すことについて話し合うだけでは、解決にならない。
コーチングや能力開発は重要だ。リーダーには内省し成長する時間が必要である。だが、同じ行動が昇進につながり続ける限り、状況はほとんど変わらない。


