他の業界も同様のアプローチを取ってきた。公衆衛生上の厳しい監視にさらされる別の分野では、ベルギーの飲料メーカーであるアンハイザー・ブッシュ・インベブ(ABインベブ)がアルコールの有害な摂取の削減を目的とした活動に10年間で10億ドル(約1610億円)以上を投じた。この取り組みは、業界の長期的な信頼性が公衆衛生上の懸念を無視するのではなく、その解決に貢献することによってこそ高まるという認識を反映している。業界の長期的な信頼性は、公衆衛生上の正当な懸念を無視することではなく、その解決に貢献することによって高まるのである。
以前にも論じたとおり、公衆衛生上の監視が強まる中で、食品メーカーは抵抗ではなく変化を主導することで、最終的に信頼性を向上させられる可能性がある。健康志向の市場で最も成功し得る企業は、消費者がより良い結果を得られるよう支援しつつ、消費者が重視する味や利便性、手頃さを提供し続ける企業である。
超加工食品論争から成果へ
消費者は健康、コスト、利便性、楽しさの間で、これからもトレードオフを続けるだろう。有効な政策は、規制によってそれらの現実を解消できると想定するのではなく、前提としてそうした現実を認識したものであるべきだ。
栄養政策は長年にわたり、栄養素や原材料、表示、そして最近では加工に焦点を当ててきた。だが、介入をますます強化した国々でさえ肥満率は上昇し続けている。だからといって公衆衛生上の懸念が見当違いだということにはならないが、次世代の解決策は、より高度にならなければいけない、ということだ。
超加工食品論争の次の段階は、次なる栄養上の悪役を探すことではない。人々が実際にどのような食生活を送っているのかを理解し、現実世界で健康への影響を改善する可能性が最も高い介入は何かを見極めることにある。
消費者は分類を食べているのではない。食べているのは食生活だ。
つまり、製品の配合と同じだけ、消費者行動にも注意を払うということだ。食品に何が含まれているかだけでなく、どれほどの頻度で、どれだけの量を、誰が、どのような食生活の中で摂取しているのかを研究すること。そして、持続的な進歩は、食品をめぐる議論での勝利ではなく、人々がより健康的な生活を築くための支援から生まれる、という認識を持つことでもある。
なぜなら、公衆衛生の改善が目的なら、最も重要な問いは「誰が議論に勝つか」ではない。
問うべきは「何が機能するのか」である。


