この説明は、しっかり裏づけられている。2015年に『Perspectives on Psychological Science』で発表されたレビュー論文によれば、つがいの絆の形成、親の投資、恋愛は、ヒト属の系統で共進化し、数百万年にわたって互いに強化し合ってきたという。
重要なポイントは、文化をまたいだ人類学研究により、恋愛が西洋の発明ではないことが示されている点だ。1992年に『Ethnology』で発表された名高い研究では、166の異なる社会を調べたところ、うち89%で恋愛の証拠が見つかった──これは、たいていの科学的基準で「普遍的に近い」と見なされる数字だ。この結果は、恋愛が文化的なものではなく、むしろ生物学的な適応であることを示唆している。
だが、このパズルの最も意外なピースは、恋愛の神経学的構造が、実際のところどこから来ているのか、という点に関係しているかもしれない。アダム・ボードが2023年に『Frontiers in Psychology』に発表した論文では、恋愛がゼロから進化したのではないことを示す証拠が提示されている。実は恋愛は、母子の絆という、はるかに古い回路を借用しているのだ。この回路は、哺乳類の脳でもとりわけ古く、よく保存されているシステムの一つだ。
母親を、生まれたばかりの子に結びつけるのと同じオキシトシン回路が、進化の歴史を通じて、成体同士のパートナーを互いに結びつける目的に転用された。この基本構造は、親子を結びつける太古のシステムが、新たな方向を向いた結果が恋愛であることを示している。
恋愛の裏にある3つの脳神経システム
恋愛が進化した理由を理解すれば、ずっと前から研究者たちを悩ませてきた現象も理解しやすくなる。恋に落ちると、恐ろしいほどの神経学的な混乱が生じるように感じるのは、いったいなぜなのだろうか?
心臓の高鳴り。過剰な思考。どういうわけか、それ以外の何にも集中できないこと――それらは、非合理的なサインではない。どれも、別個の、だが重なりあう3つの神経学的システムの作用の表れだ。この3つのシステムには、それぞれ独自の進化上のロジックがある。
この構造をいち早く明確にマッピングした科学者の一人が、人類学者のヘレン・フィッシャーだ。2005年に『Journal of Neurophysiology』で発表した基礎となる論文をはじめとする、fMRIを用いた一連の研究のなかで、フィッシャーは同僚とともに、ヒトのペアリングと生殖の基礎をなす、この3つの別個の脳神経システムを特定した。
第1のシステムは性欲だ。これは、主にテストステロンとエストロゲンに駆りたてられ、視床下部が媒介している。進化的には、このシステムが最も幅広い。このシステムは、ペアリングの相手全般を探す行動を促し、特定の個体に注意を向けさせるわけではない。このシステムが、恋愛というプロセスを始動させる。


