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教育

2026.06.29 15:00

なぜ北海道発グローバルが育つのか? 海外も注目「アントレ教育・エコシステム」のすごみ

北海道大学でアントレプレナー教育部門長を務める椎名希美(右から2番目)をはじめ、産官学のリーダーと学生が連携し、道内のスタートアップ・エコシステムとアントレプレナーシップの醸成を支える

北海道大学でアントレプレナー教育部門長を務める椎名希美(右から2番目)をはじめ、産官学のリーダーと学生が連携し、道内のスタートアップ・エコシステムとアントレプレナーシップの醸成を支える

Forbes JAPAN 2026年8月号は、「10代とともに『未来をひらく』」特集。激動の時代を切り拓く「アントレプレナーシップ」をテーマに、小学校、中学校、高校らの先生を対象にした「『アントレプレナーシップ教育 未来をひらく先生』100人」のリストをはじめ、世界No. 1アントレ教育のバブソン大学で「起業道」を教える同大学准教授・山川恭弘へのインタビューを掲載。世界最先端の超効率AI学習「アルファ・スクール」の衝撃についてアルファ・スクール共同創業者であるマッケンジー・プライスへの独占インタビュー。世界的人類学者・ティム・インゴルドへのインタビュー記事なども掲載し、10代とともにアントレプレナーシップのあり方、意義、その後の生き方までを考え、彼ら彼女らの新たな挑戦をエンカレッジする企画だ。

本特集は、30歳未満の30人にフォーカスした「30 UNDER 30」特集、「起業家ランキング」特集、「ベンチャー投資家ランキング」特集、優れた非営利組織に注目した「NPO50」特集、多彩なアントレプレナーたちに着目した「NEXT100」特集、テクノロジー領域で活躍する女性30人に光を当てる「Women In Tech 30」特集、社会性・経済性を両立させる「インパクトスタートアップ」特集をはじめ、社会を多彩なアントレプレナーシップで溢れさせるための企画シリーズの最新企画だ。

北の大地で、世界も注目するアントレプレナーシップ教育が行われている。産官学の連携に学生も加わり、新たなスタートアップ・エコシステムが始動した。


5月18日、午前10時。札幌市内にある北海道大学に一台のバスが到着した。乗っていたのは、モンゴルで中小企業を営む経営者や自治体職員など約15人。北海道のスタートアップ・エコシステムのリアルを学ぼうと、3泊4日のツアーを組んで訪れたモンゴル視察団だ。

ツアーを企画したのは、北海道大学でアントレプレナー教育部門長を務める椎名希美だ。北海道のアントレ教育のキーパーソンである。

「北海道は社会課題が多いエリアです。一方で、ここには実証実験に使えるフィールドがたくさんあります。新しい産業が生まれ続ける仕組みをつくっていこうと、産官学で連携しながらスタートアップ・エコシステムの構築に取り組んでいます」

椎名からひと通りの説明があったあと、北大生3チームによるビジネスアイデアのプレゼンが始まった。北大大学院の工学院で環境循環システムを専攻する修士2年の佐藤遼弥は、岩石風化促進技術を用いて二酸化炭素の排出量削減と鉱山廃水の問題を同時に解決するビジネスモデルを披露した。プレゼンのあと、佐藤はモンゴルの視察団にこう語りかけた。

「モンゴルは屈指の鉱山大国です。鉱山廃水は、皆さんの国で今まさに始まろうとしている環境問題だと思ってください。そして、モンゴルはビジコンを通じて私に自信を与えてくれた、大好きな国です。今度は私が、皆さんの国の役に立ちたい」

その言葉にモンゴル視察団の面々が大きくうなずき、拍手を送る。国境を越えて、新たな未来の可能性が見えた瞬間だった。

佐藤をはじめ、今回プレゼンをした学生たちは皆、北大のアントレ関連プログラムの受講生だ。人口減少に若者の道外流出、一次産業の担い手不足など、北海道は多くの社会課題に直面している。「何もしなければ課題に押しつぶされてしまう。新しい価値や産業を創造できる人材を育てることは、課題解決の担い手や雇用を増やすことにつながる」と椎名は言う。

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文=瀬戸久美子 写真=富貴塚悠太

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