欧州

2026.06.18 11:15

ウクライナ、EU加盟に向けた交渉を開始 何が求められているのか

ウクライナの首都キーウで会談したウォロディミル・ゼレンスキー大統領(中央)、欧州委員会のウルズラ・フォンデアライエン委員長(右)、欧州理事会のアントニオ・コスタ議長。2026年2月24日撮影(Denys Glushko/Apostrophe/Global Images Ukraine via Getty Images)

世界各国の汚職状況を監視する団体「トランスペアレンシー・インターナショナル」は毎年、政府の汚職度を測定する「汚職認識指数」を発表している。2013年にウクライナが西側の組織への加盟意向を表明し始めた当時、同国は汚職認識指数で175カ国中144位だった。それから12年後の20225年、同国は182カ国中104位に浮上した。

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EUもこうした変化に注目している。2014年9月~17年6月にかけてのウクライナの汚職防止への取り組みを受け、欧州委員会はウクライナ国民に対し、EUへのビザ(査証)免除措置を適用した。2022年6月には、ウクライナにEU加盟候補国としての地位を付与した。モルドバも同月に同じ地位を付与された。EUは2023年12月、ウクライナとの加盟交渉開始に合意した。

ウクライナ政府はロシアの軍事侵攻から国を守るための取り組みに数百億ドルを割り当てている一方で、国内の計画にも数百億ドルを費やしている。EUも同国の改革努力を支えるために財政支援を行っている。NATOも同様に汚職対策や民主化への取り組みを求めていることから、ウクライナ国民はEUへの統合がNATO加盟への道を開くものと期待している。

ウクライナがすべての汚職対策改革を完了するまでには時間がかかるだろう。だが、ロシアによる侵攻が続く中でも、ウクライナ政府は西側との統合という国民の願いを優先しようとしている。ウクライナの汚職防止の取り組みを評価するEU高官らの発言も、同国が統合に向けて前進していることを示唆している。

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ウクライナにとって、EUへの加盟は極めて重要だ。第一に、欧州の一員になるという象徴的な意味合いがある。もしウクライナがEUの正式な加盟国として迎えられれば、それは同国の価値観や政府機関が欧州と歩調を合わせたことになる。

第二に、社会経済的な側面がある。EUとの統合により、欧州はウクライナの豊かな農業資源と再生可能エネルギー資源の利用を拡大することができる。ウクライナ国民にとっては雇用機会が拡大するだろう。第三に、安全保障の側面がある。米AP通信の報道によると、ウクライナ国民は、ロシアによる侵攻が終結した後の「安定した未来」を保証するものとしてEU加盟を捉えている。

EUとウクライナの現在の協力関係は、同国の汚職対策で成果を上げているようだ。欧州委員会のマルタ・コスEU拡大担当委員は、残りの5つの交渉分野が早ければ来月にも開始される可能性を示唆しており、そうなればウクライナにとって追い風となるだろう。とはいえ、EUへの加盟には、司法、安全保障、公共調達、金融の各分野で継続的な改革が求められる。2014年以降の進展は、ウクライナ国民が自ら選択した道を堅持していることを示している。

forbes.com 原文) 

翻訳・編集=安藤清香

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