「DeepSeekと中国政府は、どれほど近い関係にあるのか」という懸念
DeepSeekのチャットボットには世界中に数百万人のユーザーがおり、その多くは無料でオープンウェイト(モデルの重みが公開されている)である点に惹かれている。今回のラウンドで生じたガバナンス構造が、日々のアプリの使い勝手を変える可能性は低い。
しかし、2025年の躍進以来、さまざまな形でDeepSeekに付きまとってきた影を、より鮮明に浮かび上がらせる。すなわち、DeepSeekは中国政府とどれほど近い関係にあるのか。チャットボットに自らのデータや問い合わせ内容を委ねる利用者にとって、その点はどう影響するのかという問いである。
DeepSeekはすでに、中国の法律に絡むデータアクセスの懸念から、複数の国や一部の民間企業で禁止または使用制限の対象となっている。今回の展開とその構造は、中国を代表するAI企業が国家の優先事項とどこまで足並みを揃えているのかについて、すでに疑問を投げかけてきた批判勢力による精査と警戒を、一段と強めることになりそうだ。
もっとも、500億ドル(約8兆円)超の評価額であっても、DeepSeekは米国の競合に比べればはるかに小さい。Anthropicは5月下旬、評価額9650億ドル(約154.4兆円)で650億ドル(約10.4兆円)のラウンドを完了した。OpenAIは3月に評価額8520億ドル(約136.32兆円)で1220億ドル(約19.52兆円)のラウンドを完了している。
それでもDeepSeekの今回のラウンドは、中国スタートアップ史上最大級の単一資金調達の1つである──おそらく、しばしば比較される米国のフロンティアAI研究所とは異なる土俵で勝負していることになる。
現時点でDeepSeekは、今回のラウンドの条件について公にコメントしていない。


