北米

2026.06.18 11:30

トランプによるイラン和平合意、全方位から非難の嵐──「数十年で最悪の外交的失策」

Anna Moneymaker/Getty Images

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紛争終結に向けた和平合意の内容により、トランプ政権は各方面から激しい非難を浴びている。イラン側を極めて優遇し、開戦前よりも同国を有利にする内容であり、紛争前よりもイラン体制をいっそう強大なものにすることを示唆している。

米イラン両国が米国時間6月19日にスイスで署名する見通しの、いわゆる覚書(MOU)の文面は、17日にトランプ政権によって公開された。米政府高官が14項目の文書を読み上げたとして、CNNなど複数メディアが全文を報じた。ただし内容は具体性に乏しく、イランの核開発計画の扱いなど多くの重要事項は、最初の合意署名後に60日間かけて行う第2ラウンドの交渉に委ねられている。

複数報道によると、米政府高官は17日の電話会見で記者団に対し、米国とイランがレバノンを含むあらゆる戦線で軍事衝突を終わらせることで合意する見通しだと語った。

同高官によると、この合意にはイラン経済への投資を促進することを目的とした3000億ドル(約48兆600億円)規模の復興基金が含まれており、すでにその半額の拠出が確約されているという。

米財務省は、制裁解除や海外口座にあるイラン資産の凍結解除に先立ち、イラン産原油の輸出に対する即時の制裁免除措置を発令すると報じられた。

同高官によると、米国は30日以内に、イランに出入りする船舶への海上封鎖を解除する。一方でイランは、通行料なしでホルムズ海峡を再開放するために「最大限の努力」を払うが、安全な通航に対して依然として船舶に料金を課す可能性も排除していない。

イランの核開発計画に関する交渉は先送りされる見通しで、合意の署名から60日以内に最終合意に達することが期限として設定されているという。

今回の合意に対する各政治勢力の主な反応は以下の通りだ。

保守派

ルイジアナ州選出の共和党、ビル・キャシディ上院議員は、トランプの紛争対応を「数十年で最悪の外交的失策」と呼び、17日にこう投稿した。「レーガンは草葉の陰で身もだえしているだろう。イランの核の野望は抑えられず、しかもイランはホルムズ海峡を脅せば効果があると学び、今後それを間違いなく交渉材料に使うだろう。そのうえイランは、この合意によって真新しいインフラを建設できるようになる」。キャシディは先月、トランプが支持する対立候補に予備選で敗れている。

保守系ポッドキャスターでデイリー・ワイヤー共同創業者のベン・シャピロは、当初トランプのイラン攻撃を支持していた。しかし17日にFOXニュースに対し、この合意は「政権が当初設定した実際の目標を1つも達成しない大失敗」のように見えると語った。シャピロが挙げたその目標には、イランの核・弾道ミサイル計画の廃絶、イランによるテロ組織支援の停止とホルムズ海峡の無料開放の義務付け、そしてイランが合意の自国側義務を果たす進展を見せるまで対イラン制裁を維持することが含まれていた。

開戦当初はこの紛争を支持していたニューヨーク・タイムズの新保守派コラムニスト、ブレット・スティーブンスは、「イランの強硬派が米国のうぬぼれ男に対して決定的な勝利を収めたようだ」と述べたほか、イスラエル、イラン国民、そして紛争を支持した米国民を裏切ったとしてトランプを批判し、今回の合意を「大失敗」と呼んだ。

共和党のテッド・クルーズ上院議員(テキサス州選出)は17日に自身のポッドキャスト番組に出演し、イランに3000億ドルを与えることは「信じられないほど愚かなアイデア」であり「到底容認できない」と述べた。

開戦当初はイラン紛争を支持していたマイク・ペンス前副大統領は16日、CNNのインタビューの中で、今回の合意は「単なる過ちというレベルを遥かに超えている」と述べた。「特に初期の段階から制裁適用を免除することなど、即座の譲歩を重ねている点が極めて懸念される」

保守派のラジオ番組司会者であるエリック・エリクソンは、トランプがオバマ政権時代のイラン核合意を再三にわたり激しく批判していた過去の動画をリポストした。その動画の中でトランプは、昨年11月にアイオワ州の聴衆を前に「私なら彼らに資金を返還することなど絶対にしなかったし、『資金の件は交渉の余地はない』と言い放ち、交渉で勝利を収めていただだろう」と述べていた。

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翻訳=江津拓哉

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