オーガニックの分水嶺
品質と調達が交差する論点の1つが、オーガニックだ。抹茶は茶葉を丸ごと摂取する製品であるため、茶葉を抽出して飲む一般的なお茶とは異なり、栽培方法の安全性がより厳格に問われることになる。
「抹茶は、茶の中で唯一、葉を丸ごと摂取する形態だ」とワイルは指摘する。「すべてを摂取している」。この違いは、茶葉を取り除いてから飲む浸出茶には当てはまらない、農薬曝露の含意を伴う。
オーガニック抹茶の需要は世界で前年比21.4%増と急伸し、カテゴリー全体を上回っている。すでに逼迫した供給に、さらなる圧力がかかっている。Jade Leafは抹茶の約90%〜95%をオーガニックとして調達しており、オーガニック認証が比較的まれな日本市場全体とは対照的だ。
ウォルダーによれば、日本における慣行栽培とオーガニックの差は、見た目ほど大きくない。「日本の農法は自然にかなりクリーンだ。過度なほど伝統的で、それもプラスに働く」。彼にとって認証の価値は、農法そのものよりも、それが提供する確実性にある。「その確実性があることで、可能な限り最もクリーンな製品を得られていると分かる」
ワイルは、特に抹茶の健康面での訴求が強まるなか、急増する需要を満たすだけのオーガニック認証抹茶が圧倒的に足りていないと付け加える。その根拠は、植物の特異な栽培プロセスにある。
「収穫の約3週間前、植物は遮光布で強く覆われ、日光の約70%〜80%が遮られる」と彼は説明する。「その反応として、葉は大きく薄く育ち、抗酸化物質とL-テアニンをより多く生成する」
この遮光工程こそが、鮮やかな色をはじめとする抹茶の最も価値ある特性、さらには身体への独特の作用を生み出す。
「抹茶は、抗酸化物質とL-テアニン(カフェインの作用を調整する鎮静作用のあるアミノ酸)のレベルが最も高い」とワイルは付け加える。「神経が高ぶるようなカドを取ってくれる。コーヒーは多くの人に落ち着かない感じを生み、しばしば反動もある。抹茶にはそれに近いものが見られない」
2033年には3億4000万ドルに達する予測
当面、この勢いは明白であり、弱まる可能性は低いとワイルは言う。
米国の抹茶市場は2024年に1億6400万ドル(約263億円)を生み、2033年には3億4000万ドル(約546億円)に達すると予測されている。ウォルダーによれば、Jade Leafの現在の顧客の約65%は過去1年以内にブランドへ流入しており、カテゴリーが単に既存ファンを回しているのではなく、実際に拡大していることを示唆する。世帯浸透率は約5%で、コーヒーの約80%と比べると低い。ウォルダーにとって、このギャップこそが物語だ。
「抹茶の世界にいる人間に聞けば誰でも、抹茶は『健康によい』を掲げるどんな飲料よりも、あなたにとって良いと言うだろう。消費者がそれを理解し、アクセスでき、自分が望む形で抹茶を本当に楽しめるようにすることが重要だ」
今日の抹茶飲用者の多くが生まれる以前から同様の主張をしてきたワイルは、ここまで時間がかかったことに驚いていない。経験上、世の中が追いつく必要のあるものがあるのだ。60年、3度の挑戦を経て、ついに追いついた。彼は、いつか自身の茶の原点が米国で主流となり、抹茶さえも超えて広がっていくことを願っている。


