ある動画では、ロシア軍の小隊長がオリヒウ近郊のフリャイピリシケを占領したと主張し、その際には3個強襲部隊がいずれもドローンに「護衛」されていたと述べている。別の動画では、ロシア軍の副連隊長が、ハルキウ州ボロヒウカに対する強襲でドローンが掩護・支援面で果たした役割について説明している。また別の動画では、ロシア軍の歩兵部隊がハルキウ州シェウチェンコウェを強襲した際、ドローンがウクライナ軍の目標を攻撃したり、砲兵による支援射撃を誘導したりした様子が映されている。
小規模部隊レベルでのこうしたドローン統合運用は、ロシア国防省が公開した訓練動画でも取り上げられている。最近投稿されたある動画では、ウクライナに展開しているセーベル(北)軍集団とツェーントル(中央)軍集団にそれぞれ所属する海軍歩兵部隊が、ウクライナ軍の要塞陣地に対する強襲訓練を行う様子が映っており、そこでは偵察や火力支援のためドローンが強襲部隊に組み込まれている。こうした動画は、ロシア軍の戦術強襲作戦にドローンが一段と深く統合されつつあることを示唆している。
ドローンはかねてロシア軍の作戦において不可欠な役割を果たしてきたが、以前は主に弾着観測任務や精密打撃任務に用いられていた。いまではドローンは小規模部隊による強襲任務に直接組み込まれている。ドローンはそこでリアルタイムの偵察能力を提供し、地上部隊に上空からの視点を与え、ウクライナ軍の防御陣地、わけても建物内に隠蔽された陣地を特定するのに役立っている。
また、こうしたドローンは直接攻撃能力も備えており、強襲部隊の前方にあるウクライナ軍の戦闘陣地の抑制や破壊にも使用できる。ロシア軍は強襲作戦にドローンを直接組み込むことで、伝統的に市街地戦で防御側が有してきた優位性の多くを減殺している。
新戦術の有効性とウクライナの対抗策
ロシア国防省の動画からはこうした戦術がある程度成果を収めているように見え、ロシア側はシェウチェンコウェやザポリージャ州コムソモリシケを占領したと主張している。だが、ロシア軍が目指しているような突破口の形成にはつながりそうにない。


