足が蒸れて水虫が気になる季節がやってきた。もし水虫になってしまった場合、みなさんはどうするだろうか。皮膚科にかかるのがもっとも確実なのだが、待ち時間を考えると半日仕事だ。そこで市販薬に頼ることになる。ところが、その使い方を間違えている人が多い。しっかり治療するために気をつけるべきことを、首都圏に展開する肌の総合専門クリニック、アイシークリニック治療責任者の髙桑康太医師が解説している。
水虫は、角質タンパク質を栄養源とする「白癬菌」という真菌(カビ)の感染によって引き起こされる。白癬菌は、摂氏25〜30度、湿度70パーセント以上の条件でもっとも増殖するというから、まさに今の季節は白癬菌天国だ。アイシークリニックでは、6月になると水虫の相談が急増するということだ。

医療法人社団鉄結会が、水虫を経験したことがある20〜60代の男女300人を対象に行った調査によれば、水虫の症状が出たとき、皮膚科を受診した人は25.4パーセントと少なく、52.3パーセントは市販薬を買って自分で治療、22.3パーセントは何もせず様子を見たという結果になった。
皮膚科にかかれば、治療期間は2〜4週間程度、再発率は約20〜30パーセントだが、市販薬の場合、治療期間は1〜3カ月、再発率は約50〜60パーセントとなる。本気で治したければ皮膚科一択だ。とはいえ、その時間がないという人も多いはず。そこで、髙桑氏は正しい市販薬の使い方を伝授している。

調査では、市販薬を使ってかゆみなどの症状が消えたらすぐに治療をやめる人が81.3パーセントにのぼったが、髙桑氏は、症状が消えた後も、少なくとも1カ月は薬を塗り続けるよう推奨している。皮膚の角質層に潜伏している白癬菌は、症状が治まったからといって死滅したわけではないからだ。症状のある部位よりも広い範囲に薬を塗ることも大切。塗るタイミングは1日1回、入浴後の足が清潔なときが適している。
また、何もせずに様子見を決め込む人も少なからずいるが、水虫を放置すると、足の爪に白癬菌が侵入して爪白癬に進行することがある。そうなると、もう市販薬では対処できない。皮膚科で内服薬を併用した治療を行わなければ治らない。完治まで6カ月から1年かかるということだ。

さらに、白癬菌は皮膚片やアカを介して同居人に感染することがあるので、自分だけの問題ではないのだ。実際、家族や同居人に水虫がうつしてしまった経験のある人は、未確認だがうつした可能性があるという人を含めると62.3パーセントにのぼる。感染を防ぐには、タオル、バスマット、スリッパの共有を避け、帰宅後は足を石鹸でよく洗って指の間をよく乾燥させる。さらに、床やカーペットは毎日掃除機をかけることが大切だ。

ちなみに、皮膚科を受診した人の89.5パーセントが、もっと早く受診すべきだったと後悔しているという。時間がないことを理由に受診を避けていると、結局、水虫が長引くことになる。早めのタイミングで思い切って受診するほうが、タイパがいい。



