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教育

2026.06.25 12:15

アルファ・スクールの衝撃、1日2時間のAI学習で全米トップ0.1%に育てる超効率学校とは

マッケンジー・プライス|アルファ・スクール共同創設者

マッケンジー・プライス|アルファ・スクール共同創設者

Forbes JAPAN 2026年8月号は、「10代とともに『未来をひらく』」特集。激動の時代を切り拓く「アントレプレナーシップ」をテーマに、小学校、中学校、高校らの先生を対象にした「『アントレプレナーシップ教育 未来をひらく先生』100人」のリストをはじめ、世界No. 1アントレ教育のバブソン大学で「起業道」を教える同大学准教授・山川恭弘へのインタビューを掲載。世界最先端の超効率AI学習「アルファ・スクール」の衝撃についてアルファ・スクール共同創業者であるマッケンジー・プライスへの独占インタビュー。世界的人類学者・ティム・インゴルドへのインタビュー記事なども掲載し、10代とともにアントレプレナーシップのあり方、意義、その後の生き方までを考え、彼ら彼女らの新たな挑戦をエンカレッジする企画だ。

本特集は、30歳未満の30人にフォーカスした「30 UNDER 30」特集、「起業家ランキング」特集、「ベンチャー投資家ランキング」特集、優れた非営利組織に注目した「NPO50」特集、多彩なアントレプレナーたちに着目した「NEXT100」特集、テクノロジー領域で活躍する女性30人に光を当てる「Women In Tech 30」特集、社会性・経済性を両立させる「インパクトスタートアップ」特集をはじめ、社会を多彩なアントレプレナーシップで溢れさせるための企画シリーズの最新企画だ。

一日たった2時間の学習で全米トップ0.1%の成績が可能に。マッケンジー・プライスはAIによって200年に一度の教育変革期が訪れていると語る。


きっかけは、小学2年生の娘が学校から帰ってきた時につぶやいた「明日学校に行きたくない。だって学校って退屈なんだもん」という言葉だった。娘ふたりは、全米でも有数のテキサス州の公立校に通っていた。しかし、マッケンジー・プライスはそれ以前から、従来の教育システムの問題について気づいていた。──子どもたちの“現在地点”を把握できていないことだ。1クラス約20人。教師が一人ひとりのレベルに合わせて指導することは不可能だ。「娘たちはシステムのなかで一定の成果をあげることができたが、成長もせず、刺激も与えられていなかった」とプライスは話す。彼女の考えでは、学校は、厳格なアカデミック教育を提供すると同時に、子どもたちが潜在能力を開花させ、興味や才能、そして世界にとって何が役に立つのかを見つけるサポートをする場であるべきだった。

校長に直談判し、一定の期間共に改革できないか取り組んだが、校長は最終的に「あなたの変えたい気持ちはよくわかる。でもそれはタイタニック号を操縦するようなもの──単純に、無理なの」と言った。その言葉を聞いてプライスは、やるべきことはほかの学校を探すことではない。新しい教育モデルを見つけるしかない、と悟ったという。

プライスが2014年に共同設立し、16人の生徒から始めた私立学校アルファ・スクール(前身はエマージェント・アカデミー)のテキサス州オースティン本校では現在、約150人のK-12(日本では就学前5〜6歳から高校卒業までの13年間に当たる)の生徒が学んでいる。プライスはまた、インスタグラムに140万人のフォロワーをもち、ポッドキャストを配信する教育インフルエンサーだ。

彼女の斬新でインパクトの強い教育モデルが、アメリカの親たちの心に響いている──その名も「2 Hour Learning(2時間学習)」だ。アルファ・スクールでは、午前中の2時間で個別最適化されたAIアプリを使い、主要科目を習熟レベル(90%以上)まで学習し、残りの4時間はリーダーシップや起業、チームワーク、実社会プロジェクトなどのライフスキルや、子どもたち一人ひとりが情熱をもつプロジェクトに充てられる。教師の代わりに「ガイド」というスタッフがモチベーションのコントロールと感情的サポートを担い、授業計画や採点は行っていない。学費は年4万ドル(約640万円)〜、ガイドの最低年収は従来教師の約2倍だという。

「私の知る限り、日本は世界で最も規律正しく、高い成果を上げる教育文化を築き上げてきました。アルファ・スクールもその厳格さに深く賛同している。私たちがやっているのは高い学業水準を維持しつつ、子どもたち一人ひとりに主体性、モチベーション、そして人間として真に成長するための時間をより多く与えることです」と、プライスは話す。

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文=岩坪文子 写真=リック・A・コルテス

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