就職支援サービスを手掛ける英ライブキャリアUKによると、英国で生活費の高騰が深刻化していることにより、過去1年間で推定16万5000人の専門職に就く英国人が海外に移住し、リモートワークに従事している。米国でも同様の動きが見られ、2025年には約18万人の米国人が海外へ移住したと推定されている。これにより、同国では20世紀前半の世界恐慌以来見られなかった、純移民数が負に転じる現象が生じている。
新しい住まいとなる場所を選ぶ際、より良い経済的機会やストレスの軽減、仕事と私生活のバランスの改善は重要な要素だが、親しみやすい環境を見つけることも大きな違いをもたらす。
英国際医療保険会社ウィリアム・ラッセルは最近、海外で生活を始める外国人にとって最も歓迎される国のランキングを発表した。1位と2位は欧州勢が占めた。
外国人居住者が最も歓迎される国
1位に選ばれたのは、海外からの移住者の社会統合に向け、世界でも屈指の環境を整えているアイスランドだ。同国の外国人雇用率は84.2%に上り、治安が良く、外国人居住者の満足度も高い。移民人口の割合(25.1%)はオーストリアやルクセンブルクなどの一部の欧州諸国よりは小さいものの、海外からの移住者は労働市場にとどまらず、より広く社会に溶け込んでいる。
2位はルクセンブルクで、その要因は住民の半数以上(51.2%)を占める移民人口にある。これは本ランキングで最大の割合となる。同国の国際化の度合いは、ビザ(査証)の開放性の高さ(100点満点中93点)によって裏付けられている。この得点が高いほど、事前のビザなしに入国が許可される国籍の数が多いことを示している。
3位のニュージーランドは、外国人居住者の満足度が高いことに加え、82.3%という外国人雇用率を誇っている。移民人口の割合(28.2%)はルクセンブルクより小さいものの、平均の15.5%を上回っている。移民の社会統合も良好で、ニュージーランドに移住した外国人は概して労働市場で順調に地位を確立できていることが示されている。他方で、ビザの開放性は平均の87.57点を下回る61点で、ビザなしで入国が許可される国籍が少ないことから、長期的な統合の成果は良好でも、出身国によっては入国へのハードルが高い場合もある。
都市別では、スイスのチューリヒが首位に立った。高い安全性(76.7点)と低い社会的摩擦(24.9点)が功を奏した。
外国人居住者にとって居心地の悪い国
ランキングの下位には日本(37位)や韓国(34位)など、旅行先として人気の国が挙がっており、観光客にとって魅力的な国が必ずしも外国人にとって定住しやすいとは限らないことが浮き彫りになった。
ウィリアム・ラッセルのウィリアム・クーパー取締役は次のように指摘した。「海外からの移住者が犯す最大の過ちの1つは、人気のある国ならスムーズに移住できると決めつけてしまうことだ。しかし実際には、医療制度への適応や安定した収入の確保など、最も多くの課題が生じるのは移住後の最初の数カ月間だ。移住先の選択より、こうした初期段階への準備の方が重要な場合が多い」



