米投資アプリのロビンフッドは米国時間6月16日、「スリムで規律ある組織」を目指すことを理由にフルタイム従業員の10%を削減すると発表した。企業へのAIの導入が広がるなか、ここ数カ月で従業員を削減する事例が増加している。
ロビンフッドが米証券取引委員会(SEC)に提出した書類によると、同社は「高いパフォーマンスを生み出す文化を維持し、製品開発のスピードを一段と加速させ、スリムで規律ある組織であり続けるための取り組みの一環」として、フルタイム従業員の10%にあたる約290人を削減する。また、いくつかのポジションでも求人募集を停止するという。
ブラッド・テネフCEOはXへの投稿で、「何層もの階層を持つ組織構造を常態化させてはならない」と述べ、「この改革により、最も才能ある人材が成長し、より大きな責任を担う機会がさらに増える」と指摘した。
ロビンフッドは、従業員の退職金や手当などのリストラ関連費用として約2000万ドル(約32億900万円)、さらに株式報酬費用として約800万ドル(約12億8300万円)を見込んでいると明らかにした。
この発表を受け、ロビンフッドの株価は時間外取引(プレマーケット)で0.9%高とわずかに上昇した。
ロビンフッドの株価は昨年10月に52週高値を記録したものの、年初来の下落率は約15%となっている。同社の時価総額は今年3月に600億ドル(約9兆6300億円)を割り込んだが、その後持ち直し、直近のピーク時には1320億ドル(約21兆1800億円)を記録した。15日時点での時価総額は880億ドル(約14兆1200億円)となっている。
ロビンフッドの直近の株価下落は、同社が退職金口座、資産管理サービス、クレジットカードなどを導入し、より幅広い金融サービスプラットフォームへと拡大する最中に起きた。同社は今年4月、暗号資産市場のボラティリティが取引活動に与えた影響を理由に、市場予想を下回る四半期利益を報告した。それでも、予測市場での取引における手数料の増加やサブスクリプションサービス全体の成長により、売上高は15%増加した。中東情勢の悪化によって原油やガスの価格が急騰し、株式市場全体が低迷したことも、同社のビジネスに打撃を与えた可能性が高い。



