米国時間6月16日、イーロン・マスクの推定資産額が1兆4000億ドル(約225兆円)を突破した。上場3日目を迎えたスペースXの株価は続伸し、同社は時価総額でアマゾンを抜いて世界第5位の企業となった。
16日の取引開始直後、スペースXの株価は10%超急騰し、その時価総額は約2兆7700億ドル(約445兆円)に達した。これにより、同社はアマゾンの約2兆6000億ドル(約417兆円)を上回り、時価総額で世界第5位の座についた。
スペースXの株価は上場初日となった12日に19%高で取引を終え、週が明けた15日にはさらに19.5%高と急騰した。今回の続伸によって上場初日からの上昇率は35%近くに達している。
今回の株価上昇によってマスクの資産額はこの日1191億ドル(約19兆1000億円)増加し、約1兆4000億ドルに達した。フォーブスの世界長者番付で第2位につけるグーグル共同創業者のラリー・ペイジ(約48兆2000億円)に対し、1兆ドル以上の大差をつけて独走している。
マスクは合計48億株のスペースX株を保有しており、権利行使価格が8.40ドルに設定された3億5000万株分のストックオプションを合わせると、同社への出資比率は約38%となる。
スペースXの時価総額は、第4位につけるマイクロソフトの2兆9200億ドル(約469兆円)に迫りつつある。そのさらに上位には時価総額4兆3000億ドルのアップル(約690兆円)、4兆4000億ドル(約706兆円)のアルファベット、5兆ドル(約802兆円)のエヌビディアが控えている。
スペースXが16日に米証券取引委員会(SEC)に提出した書類によると、同社はAIコーディングプラットフォーム「Cursor」を手がけるエニースフィアを600億ドル(約9兆6300億円)で買収することで合意した。買収手続きは2026年第3四半期までに完了する見込みだ。スペースXとCursorは今年4月に提携を発表し、「コーディングおよび知識労働向けAI」の分野で共同開発を行うとしていた。当時、スペースXはCursor側に100億ドル(約1兆6000億円)を支払うか、あるいは600億ドルで同社を完全に買収する権利を確保していると説明していた。
スペースX株の驚異的な高騰の背景には、投資家の旺盛な買い需要がある。
同社の上場による総調達額が850億ドル(約13兆6000億円)に達した。マスクは、同社の売上高を2030年までに1兆ドル(約160兆円)に到達させるという壮大な目標を掲げている。しかし、2025年通期の売上高は187億ドル(約3兆円)にとどまり、最終損益も通期で49億ドル(約7860億円)の赤字、直近四半期でも42億8000万ドル(約6870億円)の赤字を計上しているのが実態だ。
それもあり、一部のアナリストは同社の市場評価に疑問を呈している。映画『マネー・ショート 華麗なる大逆転』のモデルとしても知られる著名投資家のマイケル・バーリは、スペースXが提出した上場申請書類のどこを見ても、同社に1兆ドル、あるいは2兆ドル(約321兆円)もの価値があることを示す根拠は「何一つない」と指摘した。



