起業家

2026.06.18 15:00

AI起業家たちが明かす、成功するAIスタートアップの条件は「実務理解」と「防御力」

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セシリア・リウは、人間が敬遠しがちな泥臭い仕事を担うAIの開発に取り組んでいると説明した。

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「AIは、アートを描いたり、詩を書いたり、ソフトウェアの世界だけで完結する存在であってはならない。現実世界で起きている課題に向き合うべきだ。我々は、人々がやりたがらない仕事を担うAI搭載ロボットを開発している。まずは特定の市場セグメントと特定のワークフローに深く入り込み、その業務をエンドツーエンドで遂行できることを実証していっている」。

AIビジネスにおける課題

パネルディスカッションでは、AIビジネスを軌道に乗せる上で直面する課題についても議論が交わされた。

タッシュマンは、企業が直面する「信頼のギャップ」を挙げ、次のように語った。「重要なのは、AIエージェントがなぜその判断を下したのか、そのプロセスを人間が理解できるようにすることだ」。

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AIへの信頼を築くための具体策として、彼は判断の履歴を追跡できる「監査ログ」の整備や、様々な想定シナリオに基づくテストケースの重要性を挙げた。

「シンプルなシステムに見えても、その裏側ではユーザーに安心して使ってもらえるだけの信頼性を示すための仕組みを数多く構築しなければならない。そうした信頼を築くための土台づくりこそが、我々のチームが全力を注ぐべき仕事なのだ」。

また、ハヤシは、自社のAIシステムが想定通りに機能せず、AIエージェントが担うはずだった業務をチームメンバーが自ら手作業で処理せざるを得なかったエピソードを紹介した。

「AIエージェントに与えているのと全く同じツールやUIを自分たちでも実際に使ってみることにした。そこで痛感したのは、システムの使い勝手の悪さだった。多少の粗さがあるというレベルではなく、看過できない大きな問題点が数多く存在していた」。

皮肉なことに、何度も繰り返すうちに人間の方がその不完全なプロセスに適応していったという。

一方、リウは、AIシステムの運用を左右する人的要因の重要性を指摘した。

「研究室では、理想的な環境での運用を前提にシステムを設計しがちだ。しかし、実際の現場では、人的要素が加わることでそうした前提は崩れてしまう。どうすれば人的ミスを減らせるのか。どうすれば長期にわたって安定した運用環境を維持できるのか。そして、高度な専門スキルがなくても誰もがシステムを使いこなせるようにできるのか。こうした課題に向き合っていかなければならない」と彼女は語る。

「かつては、AIの精度に悪影響を及ぼすことを恐れ、人がカメラに触れることができない時期があった。しかし、基盤モデルが登場した今、カメラのわずかな振動は、それほど大きな問題ではなくなっている。重要なのは、技術の進化とともに、これまで制約だと考えられていたギャップの中身も変化していくということだ。その変化を見極めながら、ツールボックスの中から適切な技術とツールを選び、課題に対して最善の方法で解決策を導き出していく必要がある」とリウは語った。

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編集=朝香実

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