リーダーシップ

2026.06.16 17:10

働き方の柔軟性がなくなるとき、本当に犠牲になるのは誰か

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筆者は以前、人材不足を読み違えている可能性について書いた。外部の供給に焦点を当てる一方で、本当の問題は、仕事の設計や、時間をかけた人材育成のあり方にあるという指摘である。この議論の下には、より精緻な力学が存在する。見落としやすいが、誤ればはるかに重大な結果を招く。

柔軟性に関して問うべきは、それを必要とする従業員が何人いるかではない。誰が、いつ必要とするかである。私たちは都合のよい物語を自分に語っている。オフィス回帰の義務化は単なるリセットであり、柔軟性は一時的な配慮で、従業員はいずれ適応するのだと。だが、従業員が何を期待し、どこで圧力を感じているのかという現実を見落としている。

大きなトレンドは、最も重要な点を覆い隠す

柔軟性はもはや一部の人の要望ではない。たとえば、EquimundoとMenCareによる「State of America's Fathers 2023」レポートは、より多くの男性が家庭での時間を増やし、ケア提供者としてより深く関与したいと考えていることを示した。これは責任を分かち合う方向への、より大きな変化を反映している。Z世代の従業員にとって、柔軟性は基本要件になった。筆者の会社による「Gen Z Decoded」レポートは、仕事をどのように、どこで進めるかを選べることが、成果と定着の双方において中核だと彼らが捉えていることを明らかにしている。

労働力全体で、人々は仕事が自分の生活にどう収まるべきかを見直している。しかし、俯瞰的なデータは誤って解釈されがちだ。女性の柔軟な働き方への関心が話題になると、焦点は働く母親に当たりやすい。だが20代後半の女性の過半数は子どもがいない。30代前半でも、積極的にケアの責任に対応している人ばかりではない。彼女たちにとって、柔軟性はしばしば重要ではあるが決定要因ではない。オフィス回帰の義務化は制約というより不便さにとどまる場合もある。ここで議論を止めれば、柔軟性の重要性は誇張されていると結論づけたくなる。しかし、それは水面下で起きていることの読み違いである。

柔軟性を求める声が広く存在するとしても、それを欠いたときの影響は均等に分配されない。キャリアは、圧力がかかる局面で形づくられる。そしてケアは、その最も大きな局面の1つである。家族介護者は毎年約500億時間の無償ケアを提供しているとされ、その価値は1兆ドルを超える。この見えない仕組みは女性に不均衡に担われており、その圧力は非常に特定の時期に表面化する。ケアの負担は30代後半から40代前半にピークを迎えやすいが、それは多くのプロフェッショナルが管理職に就き、長期的な可能性を評価され始める時期でもある。ここは重要な分岐点であり、仕事の柔軟性が失われると、緊張は即座に生じ、対処は難しくなる。

その次に起きることは見過ごされやすい。多くの人はすぐに退職するわけではないため、組織は機能し続ける。だが、社内の人材パイプラインは変化し始める。後退したりペースを落としたりする人もいれば、選択肢が減り、個人的なコストが高まる人もいる。そして少数だが、離脱を選ぶ人が出る。キャリア中盤の女性がたとえ少数でも関与を弱めたり退職したりすれば、昇進可能な人材のプールは縮小し、後継者計画は弱体化する。こうしてギャップは、徐々に、しかもすぐには見えない形で生まれていく。

組織は、従業員がどこで圧力を感じているかを学ばねばならない

組織は絶え間ない変化のなかで運営されている。そしてこうした局面で離れる可能性が高いのは、自身のキャリアで複雑性を何年も乗り越えてきた人々である。中断に適応し、離職期間を経て復帰し、相反する要求のなかで軌道修正してきた。組織が「もっと必要だ」と口にする能力を持つ人材であるにもかかわらず、意図的な設計がなければ、そうした人々がふるい落とされがちだ。

だからこそ、精度が重要になる。すべての従業員が同じように仕事を経験するわけではなく、すべての職種が同じ水準の柔軟性を必要とするわけでもない。だが、それは柔軟性が単なる特典だという意味ではない。柔軟性は「圧力がかかる点」である。その圧力が高まると、特定の集団が特定の時期に影響を受ける。キャリア初期の人材は、入社する前の段階で致命的な条件と捉える一方、年長の従業員は個人的な責任が増え始める局面で強く感じる。時間の経過とともに、それが昇進する人、残る人、軌道から外れる人を形づくる。ゆえに問うべきはこうだ。「重要な局面で柔軟性を必要とする人々ほど、それがなければ離れやすいとしたら、あなたのリーダーシップ・パイプラインに何が起きるのか」。

これは好みの問題ではない。組織が、どこに本当の負荷の集中点があるのか、そしてそれが放置されたときに何が起きるのかに注意を払っているかどうかの問題である。柔軟性をめぐる議論は、多くのリーダーが認める以上に繊細だ。支援を提供しないことのリスクは、全員が辞めることではない。辞めてはいけない人材が辞めることだ。これを理解する組織は、単に人材を引き留めるだけではない。次に自分たちが何者になるかを決める部分の労働力を守ることになる。

forbes.com 原文

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