サイエンス

2026.06.20 17:00

脳がないのに「24個の目」を持つハコクラゲの正体と驚異の生存戦略

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しかしその毒は、この生物の最も注目すべき特徴というわけではない。むしろ特筆すべき特徴は、その視力と言えるだろう。2010年に『Journal of Comparative Physiology A』に掲載された研究によると、ハコクラゲは、「ロパリウム(rhopalium、複数形はロパリア[rhopalia])」と呼ばれる感覚器官を4つ持っており、それらは傘の縁にぶら下がっている。それぞれのロパリウムには6つの目が含まれており、目は合計で24個になる。これらの目は、4つの異なるカテゴリーに分類される:

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・まず、上部のレンズ眼だ。これには角膜、水晶体、網膜が含まれている。24個ある目のうち、我々が、より複雑な動物に関して通常思い浮かべるような「像を結ぶ目」に最もよく似ているのはこのレンズ眼だ。

・2つ目は、下部のレンズ眼だ。これらは、基本的な構造は上部のレンズ眼と似ているが、向きが異なる。

・残りの目ははるかに単純で、2つのピット眼と2つのスリット眼から成る。どちらも、レンズ眼のような精巧な像形成光学系を備えてはいない。

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全体として、各ロパリウムには、上側のレンズ眼が1つ、下側のレンズ眼が1つ、ピット眼が2つ、そしてスリット眼が2つある。この配置は、4つのロパリウムすべてに共通しており、その結果、脊椎動物には見られないような分散型の視覚系が形成されている。

興味深いことに、ロパリウム自体は柔らかい柄にぶら下がっており、振り子のような動きをする。このユニークな構造により、クラゲがどのように泳いだり体を回転させたりしても、目は比較的安定した向きを保つことができる。ある目は常に上方を向き、別の目は常に周囲の異なる部分を監視している――そして、クラゲが実際に何を見ているのかを理解する上で、こうした細かい事実が極めて重要であることが判明した。

クラゲは24個の目で何を見ているのか?

その解剖学的構造から推測できる通り、ハコクラゲは、すべての目で同じものを見ているわけではない。2008年に『Vision Research』に掲載された、各眼の光学特性を調べた研究において、研究者たちは、それぞれの目が特定の視覚的タスクに特化していることを裏付けるエビデンスを発見した。

研究者たちは、上向きのレンズ眼は、その名の通り、クラゲの上方にある世界を見るために設計されていることを確認した。上を向いているので、水面越しに、岸辺にある物体や、水面より上にある物体を見ることができる。

一方、下側のレンズ眼は、下の水中に向けられている。細かい部分を精査するのではなく、水中環境において、近くにある大きな物体や周囲の構造物を感知するのに特に適しているようだ。

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翻訳=藤原聡美/ガリレオ

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