難しいことに向かえ
2004年にプロジェクトマネージャーとしてグーグルに入社したピチャイは、入社して間もない時期にGoogle Chromeの開発を主導した経験を語った。当初は、ブラウザーを1つ作るには数百人のエンジニアと何年もの労力が必要だと社内の多くが考えていたが、ピチャイのチームは10人ほどしかいなかったという。
「社内の多くの見方は正しかったのです」とピチャイは述べた。「それは本当に難しい仕事になりそうでした。ある意味で、私たちは世間知らずだったのです。しかし、新しいことに取り組むときには、少し無謀であるほうが良いのです」。
2008年に公開されたとき、Chromeは最初の24時間で800万人のユーザーを獲得したと、ピチャイは振り返った。だがその直後、ユーザーの伸びは停滞し始め、グーグルは競合他社から批判を浴びた。意気消沈しかねない場面だったが、ピチャイは、困難なことに取り組めば多くを学べる上、「決まって、優秀で前向きな人々を引き寄せるものだ」と学んだと語った。
「自分で掲げた高い目標に届かなかったとしても、それでも皆さんは何か素晴らしいことを成し遂げるでしょう」とピチャイは卒業生に語った。「だから、難しいことに取り組む選択肢があるなら、イエスと言ってください」。
今日、Google Chromeは世界で圧倒的な首位に立つブラウザーとなった。
自分が心躍ることをせよ
ピチャイは卒業生に対し、自分に力を与えてくれるものに目を向けるよう促し、自身にとってそれは常にテクノロジーだったと説明した。
「私の家族がテクノロジーを使える機会が増えるほど、私たちの生活は良くなりました」と同氏は述べた。ピチャイはさらに、テクノロジーへの愛着があったからこそ、グーグルからのオファーを受け入れ、Chromebook(クロームブック)やAndroid(アンドロイド)のようなプロジェクトに携わる機会に飛びついたのだと付け加えた。
「コンピューティングが、私の人生を変えたように人々の人生を変えていくのを見ることは、私にとって世界で最も胸躍ることでした」とピチャイは述べた。自分が開発に関わった製品を、日々の生活の中で一般の人々が使い、その恩恵を受けているのを目にした数々の場面を振り返っての発言だった。
「だから皆さんが自分の道を考えるときには、親が皆さんに望むことや、友人たちが皆やっていること、社会が皆さんに期待することに目を向けるべきではありません。そうではなく、深夜までルームメイトと興奮して語り合ってしまうようなことを考え、それを実行してください」。


