スティーヴン・スピルバーグ監督の映画『ディスクロージャー・デイ』は、YouTubeクリエイターやデジタルネイティブなファンダムによって変貌を遂げた夏の米興行シーズンにおいて、巨匠の帰還を告げる作品となった。
『オブセッション 災愛』や『バックルームズ』といった作品は、監督たちが旧来のハリウッド流の興行収入お披露目に挑戦できることを示してきた。すなわち、大スクリーンへ持ち込む前に、オンライン上で観客とともに作品のバージョンを練り上げていく方法だ。
しかし『ディスクロージャー・デイ』の初動を見る限り、観客は今なお作家性の強いイベントムービーに足を運び、そうした体験のためにプレミアム価格を払う意欲があることが分かる。オールドハリウッドもニューハリウッドも、映画館に観客を呼び込めるのだ。ただし、その観客層は異なる。
スピルバーグの帰還を巡る疑問
『ディスクロージャー・デイ』でスピルバーグは、数十年にわたり自身のキャリアを形づくってきたタイプの夏映画を作り上げた。本作には、地球外生命体、政府の陰謀、大規模なアクションシーン、そして長年の盟友ジョン・ウィリアムズによるスコアなど、スピルバーグ作品らしい要素が数多く盛り込まれている。
『E.T.』や『未知との遭遇』のファンにとって、『ディスクロージャー・デイ』はいわば心安らぐ存在であり、スピルバーグ自身も本作をこれら愛される作品の非公式な姉妹編と位置付けている。
しかし『E.T.』や『未知との遭遇』が公開されたのは数十年前、配信サービスとの競合がなく、長期にわたる劇場公開を通じて口コミで観客を積み上げていけた時代だった。今とは違う。また、公開前にファンダムを育てる、新たな映画開発パイプラインとしてのYouTubeも存在しなかった。
『ディスクロージャー・デイ』公開前夜、業界の見方は慎重だった。公開に先立ち、Varietyは本作の興行収入トラッキングが揺れ動いていると報じた。Los Angeles Magazineはこの作品を、スピルバーグの人気を測る「興行収入の試金石」と表現した。
スピルバーグが帰ってきた
『ディスクロージャー・デイ』はその試験に合格したようだ。週末の世界興行収入は9390万ドル(約150億2400万円。1ドル=160円換算)、北米だけで4400万ドル(約70億4000万円)を記録し、興行収入ランキング第1位でデビューを飾った。北米興行収入だけで見れば、本作はスピルバーグ作品史上歴代5位のオープニングを記録するペースだ。スピルバーグが今も夏の興行ヒットを生み出せるのかという懸念は、「スピルバーグが帰ってきた」という合言葉に取って代わった。



