欧州

2026.06.16 07:30

ウクライナの無人機、地中貫通弾を投下し始める 塹壕も危険にするミニ「バンカーバスター」

ウクライナが使い始めたドローン(無人機)用地中貫通爆弾とされる画像。X(旧ツイッター)から

貫通爆弾は、通常の汎用爆弾と違う点が3つある。まず、地面や障害物への衝突に耐えられるように補強された、流線型の貫通用ノーズを備えていること。次に、力を狭い範囲に集中させて抵抗を減らすため、総じて細長い形状をしていること。そして、防護物を貫通したあとに起爆するように、遅延作動式の信管を採用していることだ。簡素なつくりに見えるウクライナの「フェンス支柱爆弾」にも、これらの特徴が認められる。

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ノーズは、地中に貫入していく際の衝撃力に耐えられるように設計される。フェンス支柱用のスパイクがすでに存在するので、この爆弾では一から設計する必要はなかっただろう。画像に見えるほかの物品、とくにトルセン製300mmハクソー(金切り鋸)と比較すると、標準的な100mmフェンス支柱用スパイクを基にしていると思われる。市販のフェンス用スパイクは薄い金属板を型抜きし、機械溶接されるが、画像を見る限り、この爆弾に装着されているものは手作業で溶接されているらしく、使われている金属も一般的なフェンス用スパイクより厚みがあるようだ。ホームセンターで売られている製品をベースにしたのであれば、ガレージのような工房で大幅な改造が施されたと推測される。

ざっとした計算だが、11kg前後の貫通爆弾が数十〜100mくらいの高さから投下されたと仮定すると、締め固められた土なら約30cm、軟らかい土なら1.2m程度突き抜けると考えられる。

典型的な掩壕(バンカー)は、丸太(コンクリートよりもしなやかで衝撃耐性が高い)で屋根を組み、その上を30cm以上の土で覆って造られる。土には爆風や破片を吸収する役割がある。しかし、この貫通爆弾は土の覆いを突き抜けるとみられ、さらに丸太屋根の隙間を見つけて内部に到達する可能性がある。

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もうひとつの重要な特徴は遅延信管だ。ドローンに搭載されるたいていの爆弾は着発信管が付いており、着弾した瞬間に起爆する。金属製のケージやネットに接触し、意図したよりも早い段階で起爆してしまうこともある。遅延信管であれば、爆弾は障害物や地面を貫通してから爆発することになる。

ウクライナ側の動画には、この“ミニバンカーバスター”のひとつが戦闘で使われたところが映し出されている。爆弾はそのなかではっきり確認でき、ロシア側で出回っている画像のものとの目立った違いは尾翼の色だけだ。爆弾は建物の脇に投下される。地面に着弾してから爆発するまでに、1秒以上の遅延があるようだ。爆発すると、地下で発生した爆風の威力で建物の片側が崩壊する。これは、第二次世界大戦中に英国の技術者バーンズ・ウォリスが考案し、陸橋をはじめとする構造物の破壊に成功した「地震爆弾」というコンセプトの小型版とも言える。

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翻訳・編集=江戸伸禎

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