2026年W杯のフィールドは、単に芝生を並べただけのものではない
2026年W杯の選手たちのスパイクを支えるフィールドは、単に芝生を並べただけのものではない(芝生マニアの方はぜひご注目を。マイアミやカンザスシティといった比較的温暖な都市のスタジアムでは、ケンタッキーブルーグラスに少量のペレニアルライグラスを混ぜた芝の上を選手たちが駆け巡る一方、ボストンのような比較的涼しい地域ではバミューダグラスのみが採用されている)。この芝生には、安定性と硬さを向上させるためにプラスチック製の緑色の繊維が混入されている。
プラスチックが使われているのはそこだけではない。科学者たちは、根が横方向に広がり、互いに絡み合ってバラバラにならないよう、プラスチック繊維で作られた「カーペット」の上で芝生を栽培した。こうすることで、芝生をスタジアムに移動させた後も、根が素早く定着できるようになる。
このプラスチック一体型の芝生は根を育てるための砂の上に敷かれ、その下には砂利を用いた排水層が設けられている。さらにその下には、余分な水分を取り除き、空気の流れを確保するための潅水および換気層が組み込まれている。システム全体が一体化しているため、数百マイル、あるいは数千マイル離れた芝生農場からスタジアムまで直接トラックで輸送することも可能だ。
「梱包してしっかりと巻き上げ、冷蔵トラックに積み込めば、それで準備は完了だ」とロジャーズはインタビューで語った。芝生のロールは最大で幅3.5フィート(約1メートル)、長さ40フィート(約12メートル)に及び、トラック1台につき10〜15本を積み込むことができる。現地に到着した芝生は、文字通り「すぐに試合ができる状態」になっているという。
芝生分野のイノベーター
ソロチャンもまた、芝生分野のイノベーターとしての地位を確立してきた。数年前、ソロチャンとテネシー大学の研究員であるカイリー・ディクソンは、「Flex(Foot Lower extremity[下肢]の略)」と呼ばれるポータブル機械を開発した。これは、モーションセンサーを搭載した機械式の足と足首にスパイクを装着し、体重170ポンド(約77キログラム)の選手が天然芝を踏み込んだときの動きを完全に再現するものだ。そして同大学が開発したソフトウェアがこのデータを収集・解析する。
2026年W杯に向けた芝生のテストでは、6フィート(約1.8メートル)の高さからボールを落下させる機械も使用された。
大成功の証
ほとんどの選手や観客、あるいはメディア関係者が、試合後にピッチの出来栄えについて語り合うことはないだろう。だが、ソロチャンにとってみれば、それこそが大成功の証なのだ。もしピッチが話題に上るとすれば、それは芝生が期待通りのパフォーマンスを発揮できなかったことを意味するからである。
「ピッチが本来の役割を果たしていれば、人々は試合そのものについて語るはずだ」と彼は言う。もちろん、ロジャーズはその例外の1人だ。彼は間違いなく、試合後も芝生のことばかりを語り続けるだろう。


