リーダーシップ

2026.06.19 16:00

「いつでも相談して」と言うリーダーほど部下に信頼されない理由

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その計算は、多くの場合において極めて合理的だ。多くの組織では、形式上の開放性と非公式な罰が同居している。懸念を伝えたことで叱責はされなくても、その後の扱いが変わることはある。以後の会話から外されたり、「ネガティブ」と評されたり、ビジネスセンスに欠けると見なされたりする。こうした微妙な帰結だけでも、人の行動は変わる。

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これが、オープンドア・ポリシーが、とりわけそれを必要としている社員に対して機能しにくい理由でもある。役職の低い社員や雇用形態が不安定なスタッフ、経営層との心理的距離が遠い人ほど、発言によるリスクが大きい。ベテランの社員は気軽に入って反対意見を言えるかもしれない。しかし若手社員には、同じ招待が罠のように感じられることがある。

リーダーが自分の「近づきやすさ」を過大評価する理由

多くのリーダーは、自分は本当に近づきやすいと信じている。うまく話を聞けた場面を覚えている。社員が問題を相談しに来た瞬間を根拠にする。問題が表面化した後になって「なぜもっと早く言わなかったのか」と苛立つことさえある。

しかしリーダーは、近づきやすさを自分の意図で判断しがちだ。一方で社員は、それを起こり得る結果に基づいて判断する。このギャップは重要だ。リーダーはオープンな姿勢を示そうとしても、急いでいたり、気が散っていたり、対応に一貫性がなかったり、異論を向けられたときに露骨に苛立ったりすれば、社員は発言に気を使うようになるだろう。

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もうひとつ、権力の問題もある。リーダーが上位になればなるほど、自分が威圧的に映ることを自覚しにくくなる。本人は気さくで合理的なつもりでも、相手は地位や評価、依存関係といったフィルターを通して、そのやりとりを受け止めることがある。権力の有無によって、ごく普通の振る舞いが相手にどう受け取られるかが変わってくる。リーダーは短い返答を効率的だと感じても、社員は突き放されたように感じられるかもしれない。

だからこそ、「いつでもドアは開いている」という言葉は、言う側には安心感があっても、聞く側には物足りなく響きやすい。

社員が本当に必要としていること

社員が必要としているのは、象徴的なアクセスというより心理的なアクセスだ。難しい情報が個人的な危険を及ぼすことなく上司に伝わることを知る必要がある、そしてリーダーが不満の声を耳にしても、それを伝えた者が不利益を被ることはないという証拠を必要としているのだ。

それには、単なる「いつでも対応できる」以上のものが要る。予測可能な反応が必要だ。社員が懸念を伝えたら、リーダーは確認し、感謝し、次に何が起こるのかを説明すべきである。懸念が解決できない場合でも、結論までの経過を伝え、話を閉じるべきだ。打ち明けた後の沈黙は、「次はもう言わない」という学習を最速で生む。

次ページ > リーダーは発言への心理的ハードルを下げる必要がある。

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