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2026.06.15 12:45

AIは決してイノベーターにはなれない──それは人間の仕事だ

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先日、革新的なスタートアップを審査する機会に恵まれ、起業家たちが人工知能(AI)を活用して新しいビジネスを立ち上げている様子に感銘を受けた。AIやAIエージェントをより適切に管理するための製品を開発した企業もあれば、より幅広い用途を持つ企業もあった。

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例えば、Atechのセールスおよびユーザーエクスペリエンス責任者であるGustav Hugodは、同社のキットを披露した。小型のハードウェア部品がいくつか含まれており、ユーザーはフロントエンドでの音声プロンプトにより、ロボットや気象観測所のような機械やシステムのプロトタイプを設計できるという。

別のスタートアップであるGatacaのマーケティングディレクター、Esther Sauriは、モバイルインターフェースを訴求した。これによりデジタルウォレットの用途が加速・拡張され、パスポート、運転免許証、さらには大学の成績証明書といった多様な書類まで扱えるようになる。Gatacaは、デジタルウォレット上での書類提供を義務付けるEUの今後の規制に乗じる形で、自社の提供価値を位置付けている。

テクノロジー主導の企業として成功する秘訣は何か。有名で時代を超えて語り継がれるやり取りの中で、スティーブ・ジョブズはこう述べている。「顧客体験から始めて、そこからテクノロジーへと逆算していくべきだ。テクノロジーから始めて、それをどこで売ろうかと考えるのは間違いだ」

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上記の2社は、顧客が何を求めているのかを見極め、そこから逆算してニーズを満たすテクノロジーを構築している好例である。

忘れてはならない。最新で最も洗練された映画制作機材を誰かに渡し、無限の制作力を与えたとしても、その人が次のスティーヴン・スピルバーグになるわけではない。人々が何を望み、何に価値を見出すかを感じ取る、その人間ならではの要素があってこそ、成果を生み出せるのだ。

AIは万能ではないが、これを実現するための重要なツールにはなり得る。「顧客の心に本当に響くのは、スピードや利便性だけではない。理解されているという感覚だ」と、CapTechのBrian BischoffとBree Bashamはハーバード・ビジネス・レビューに寄稿している。「AIは、取引的ではなく関係性を感じさせるインタラクションを生み出すことで、今日の顧客体験を変革している。インテリジェントなシステムは、フラストレーション、緊急性、喜びをリアルタイムで検知し、ブランドが共感と安心感をもって対応することを可能にする」

両氏は、AIが「プロトタイプ経済」と呼ばれるものの台頭を支援していると指摘する。迅速なプロトタイピングと製品開発サイクルの加速がその特徴だ。

これこそがイノベーションの根源である。そして、世界がAIの誇大宣伝と憶測に溺れる中、依然として大いに議論されているテーマでもある。AIには新たなイノベーションを促進する能力があり、世界中でその事例が花開き始めている。しかし、ここには重要な教訓もある。AI自体がイノベーションを生み出すわけではなく、顧客が何を望んでいるかを見極めるわけでもない。それは人間の仕事だ。そして、それは常に人間の仕事であり続ける。

Y Combinatorのパートナーであり、Bumpの共同創業者で元CEOでもあるDavid Liebは、X(旧Twitter)での最近の投稿で、次の思考実験を提示した。「もしすべての企業が突如として無限の無料計算資源(compute)を手にしたら、どんな新製品が生まれるだろうか。私の見立てでは、ごく少数の例外を除けば、あまり何も変わらない。ボトルネックは人々が何を望むのかを見極めることであり、そこに計算資源を適用して解決するのは容易ではない」

Liebの投稿には多くの興味深い反応が寄せられた。「本物の製品をつくるには、単に数字を処理したり、無限の計算能力を持ったりする以上のものが必要だ」と、Inference創業者のAditya Patroは応じた。「確かに、反復は速くできるし、アイデアの検証もより迅速になる。しかし、それで人々が本当に必要とし、日々使い続けるものが何かが魔法のように明らかになるわけではない。障害となるのは、すべて人間的な要素だ。人々が直面する厄介な問題を理解すること、適切な手触りとシンプルさを磨き上げること、押しつけがましくならずに製品を広めること。センスが非常に重要になる。あらゆるツールが利用可能であっても、ほとんどの試みは散らかった混乱に終わるか、誰も求めていないプロジェクトになってしまうのではないか」

forbes.com 原文

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