最も高度の低い満月
6月のストロベリームーンは、2026年に北半球で昇る満月の中で最も南中高度が低い。これは満月が地球から見て太陽と正反対の方向に位置し、月の高度と太陽の高度が連動しているからだ。
夏至を6月21日に迎えたばかりで、太陽は空を東から西へと横切る日周運動において1年間で最も高く、最も長い軌道を描いている。そのため満月は逆に最も低い軌道を描き、最も南寄りから昇って最も南寄りに沈み、一晩じゅう空高く輝くことはない。
つまり、ストロベリームーンは夜の長い時間にわたって地平線に近い低空にとどまるということだ。地球の大気の厚い層を通して眺める月は、温かみのある黄色やオレンジ色に見えることが多い。そしてこの条件が、天文ファンにはよく知られている視覚トリックを演出する舞台装置となる。
月の錯視
今年2番目に小さい満月であるにもかかわらず、ストロベリームーンは「月の錯視(moon illusion)」と呼ばれる現象によって、月の出の時点では非常に大きく見えるだろう。米航空宇宙局(NASA)によると、これは心理的な効果によるものだ。月の実際の大きさは変わらないが、地平線近くにあるときは頭上高く昇っているときよりも大きく感じられるのだ。
その原因は、人間の脳が距離と大きさをどのように認識するかにあると考えられている。月が低空にあると、周辺の建物や樹木、山などと比較して見てしまうため、相対的に大きく見える。一方、頭上高くにある月は、近くに比較対象となるものが何もないので、地平線付近にあるときよりも小さく感じられるというわけだ。
この錯覚の効果は月の出や月の入りの時に最も強化され、6月の満月のように高度が低いとさらに増幅される。この点を押さえておけば、天文学的には「マイクロムーン」に相当するストロベリームーンがとても大きく、ドラマチックに見えるのにも納得がいくはずだ。
2026年の満月たち
ストロベリームーンは今年13回ある満月の7回目にあたる。地球が太陽の周りを公転するのにかかる時間に基づく1年(太陽年)より、月の満ち欠けに基づく1年(太陰年)のほうが約11日短いため、通常は毎月1回の満月が1回多く発生する年があり、今年はそれに該当する。全13回の満月のうち、1月3日、11月24日、12月24日は月が公転軌道上で最も地球に近づく「近地点」付近で満月となるスーパームーンで、平均よりも大きく見える。
ストロベリームーンの次の満月は2026年7月29日の「バックムーン(牡鹿の月)」で、夏の間に満月は少しずつ高度を上げ、明るさを増していく。


