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CEOs

2026.06.25 11:45

Agodaは日本で生き返るか──CEOが語った騒動の「根」

AgodaCEOオムリ・モーゲンシュテルンは昨年のトラブルをどう捉え、日本でのビジネスをどう変えていくのか。

アジアで10倍、その次へ

Agodaの親会社Booking Holdingsは、アジアを主力とするAgoda単体や、国別の売上は公表していない。規模感について、モーゲンシュテルンはこう語った。「過去10年を振り返ると、ビジネスはおよそ10倍になりました。APAC全体で日本は非常にうまくいった市場の一つでした。これからも再び同じくらいの成果を出せればと思います」。そして、こう付け加えた。「ただ、それは目標ではなく、希望です」

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日本は目的地として世界で最も急成長している市場の一つであると同時に、出発地としても重要だという。「日本の方々はCOVID後の海外旅行再開が比較的遅かった。時間がかかりましたが、確実にその動きは増えてきています」

事業の幅も広げている。宿泊に加え、この5年で航空券、2〜3年で体験やアクティビティの予約を強化し、いまは旅行計画の支援に取り組む。目指すのは、利用者の好みを把握し、提案から予約までを一貫して担うオンラインの旅行代理店だという。

それを支えるのがAIだ。すでにエンジニアの98%がAIツールを使って開発しており、「AIに精通していないエンジニアは、5年後にはエンジニアではいられないでしょう」と言い切る。目指すのは、社員一人ひとりの生産性を10倍にすること。「試したいアイデアの表面すら、まだかすってもいないのです」と伸び代を語る。

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信頼は「資産」だ

信頼の話に戻る。テクノロジーとプロダクトの畑を歩いてきた経営者は、旅行という商品の特殊性をこう表現した。

「旅行はほとんどの人にとって大きな出費です。口紅を買うのとは違います。年に1回か2回の出費で、給料のかなりの部分を占める。しかも海外に行くと未知のことが多い。そのお金を一つの会社に預けて望む体験を得ようという大きな願いがそこにある。信頼を得られれば、それは資産です。何よりも守らなければなりません」

photo AzmanJaka (Gettyimages)
photo AzmanJaka (Gettyimages)

日本での騒動は大きな教訓になった。「パートナーや消費者の期待と、私たちが提供しているサービスの間にギャップがあると気づいたとき、優れたプロダクト担当者のように目標を再定義しました。テクノロジーとケイパビリティを使ってその目標に向けて構築し、品質を提供しました」

信頼を獲得する──それがAgodaの目下の定義になっている。アジアで10倍になった会社が、つまずいた日本で再び伸びられるかは、この定義を予約台帳の一行にまで行き渡らせるかにかかっている。証明するのは経営者の言葉ではない。次に「予約確定」を押す旅行者の体験だ。


オムリ・モーゲンシュテルン◎Agoda CEO|イスラエル出身。エルサレム・ヘブライ大学で物理学・コンピュータサイエンス・数学の学士号取得。テルアビブ大学では物理学の修士号を取得。2014年Qlika(クリカ)社を共同創業しCEOに就任。同年Booking .comがQulikaを買収。チームごとAgodaへ統合。アルゴリズムおよび学習システム部門のシニアプロダクトオーナーに就任。その後プロダクト開発部門を牽引し、18年に COO、22年に現職。

文・写真=坂元こうじ(編集部)

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