ベン・カッファーがノルケインを創業したのは、彼が30歳のとき。今振り返っても、いいタイミングだったという。
「当時の私は家庭を持つ前だったので、会社に100%を捧げられました。起業というのは、100%の努力が必要であり、100%を注ぎ込まなければ失敗します。それは若いからこそ可能ともいえる。現在の私には家庭があり、3名の子どももいます。当然仕事ばかりでなく、生活を整える必要があります。しかし最初の段階では自分の会社に対してすべての情熱を注がなければ、夢を追いかけることはできないでしょう」
そして仕事への情熱を燃やしている時に、ふと「ENJOY LIFE」という新しいコンセプトを思いついた。

「人生を楽しむ気持ちは、誰の心の中にもあると思います。世界を見渡すと、残念ながら戦争など困難な状況が起きていますが、だからこそ人生を楽しむことは一つの哲学になる。ノルケインが急成長し、スタートアップからチャレンジャーブランドとなった中で、ふと、人生は素晴らしいと感じた瞬間があった。人間はいつだって前向きであるべきですし、ENJOY LIFEは、私たちが本当に伝えたいことなんです」
このコンセプトから生まれた時計「フリーダム クロノ エンジョイライフ “スプリンクル”」は、人生を楽しむこと、そして前向きであることを思い出させてくれる。これは時計の形をした身につける哲学なのだ。
さらにノルケインでは、“スイス・メカニカル・スポーツウォッチスペシャリスト”として、あえてレッドオーシャン化するスポーツウォッチのジャンルに注力するという。
「ワイルドワン スケルトン X-LITE リミテッドエディション」は、独自開発のカーボンファイバー複合素材「X-Lite」を用いることで、時計全体の重さが45gしかない。その驚異的なエンジニアリングと独自性こそが、ノルケインが注目される理由にもなっている。
「確かにスポーツウォッチを得意とする時計ブランドは多いのですが、では何をもって“スポーツ”というのでしょう。私たちが“スポーツウォッチのスペシャリスト”と名乗るのは、人々がスポーツをする際に身につけたくなるような、軽量で快適な時計をつくっているからです。この理念を実現しているブランドはそう多くありませんし、この価格帯では唯一無二。ノルケインは非常に人気のあるスポーツウォッチというカテゴリーの中で、極めて特別な時計を作りたいと考えています」
情熱をもってビジネスに立ち向かい、独自性の高い時計をつくり、それを世界に届ける。それはシンプルなことだが、だからこそ難しいし、やりがいがある。取材を終えると、すぐにイベントのために大阪へと向かったベン・カッファーだが、いつでも笑顔を忘れない。それが彼にとってのENJOY LIFE!なのだから。
ベン・カッファー◎1988年生まれ、スイス・ビエンヌ出身。時計関連企業を営むカッファー家に生まれ、ブライトリングにて製品開発とアジア地域のマーケティングなどを担当。その後、独立して2018年1月にノルケインを設立する。


