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2026.06.14 07:15

なぜAI投資のリターンは「詰まって」しまうのか

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最新のAtlassian State of Teamsレポートによると、全社規模でAIのROI(投資対効果)が出ている事例を特定できると確信している経営幹部は、わずか6%にとどまる。ナレッジワーカーの85%が職場でAIを使っており、その多くはリーダーシップの働きかけによるものだという。それほどの活動量がありながら、成果は最小限にとどまっていることになる。

何が起きているのか。筆者の経験では、多くの組織が共通の目的を確立する前にAIブームに飛びついた。「取り残されたくない」という思いから、輝かしい新技術を活用する「なぜ」を言語化することを忘れてしまったのだ。残念ながら、戦略(共有された目標、明確なコミュニケーション、チームへの支援)を欠いたまま新たな要請だけが出されると、導入は断片化し、もともと存在する機能別サイロをむしろ強化してしまう。

Atlassianの報告書もこの点を裏づける。すでにAIを使っているナレッジワーカーのうち、それを部門横断のワークフローに組み込めているのは29%に過ぎない。その結果、個人の実行は超高速で進む一方、レビューや承認のサイクルが追いつかない。これがAtlassianのいう「分断税(fragmentation tax)」である。筆者はこれを「AIの丸太詰まり」と呼ぶ。

では、どうすればAIをチームワークの「敵」ではなく「味方」にできるのか。

まずは計画から始めるとよい。筆者はこれを「ゆっくり進んで、速く進む(going slow to go fast)」と捉えている。AIに何の課題を解かせたいのか、そのニーズに最も適したツールは何か、どのようなガードレールが必要か(例えば、このツールは機密情報にアクセスできるが、こちらのツールはできない、など)、そしてチームがこれらのツールを効果的に採用・統合するためにどんな支援が必要かを明確にすることだ。

筆者の会社では昨夏、協働型のワークセッションを複数回行い、AIによってすぐに最適化できる事業領域と、導入にあたって整えたい規範を検討した。ツールを試し、成功例や苛立ち、疑問を共有する時間も含めた。AI導入を個人への要請ではなくチームの取り組みとして進めることで、同じ歩調で前進できた。

次に、AIが協働を具体的にどう支援できるかに目を向けることを勧める。筆者は1日1回、Copilotのエージェントを使ってメールをスキャンし、自分の未返信が誰かの進捗を妨げていないかを確認している。これにより、優先度の高い仕事に大半の時間を割き(そしてメールから距離を置きつつ)、ボトルネックにならずに済む。Teams内でもCopilotを活用し、オンライン会議がアジェンダに沿って進むようにするほか、会話の要点をまとめた振り返り(recap)を作成している。振り返りは、会議のアクションアイテムや意思決定が宙に浮かないようにするうえで不可欠だ。いまやそれが自動化されている。

最後に、より一般的な「協働の整理整頓」も必要かもしれない。すでに壊れている仕組みの上にAIを載せても、問題は解決されるどころか、課題が増幅される。AIの有無にかかわらず、整合性を保ちながら素早く動くには、強固な非同期の協働プロセスが要る。具体的には、文書の保管とバージョン管理、共同制作・レビュー・承認の規範、そしてどの場面でどのコミュニケーションチャネル(メール、IM、会議など)を使うべきかの判断である。

データが示すのは、AI導入を個人の自発性に委ねても、期待するリターンは得られないということだ。生まれるのはテコではなく、詰まりである。意味のある成果を望むなら、ツールそのものと同じくらい、オーケストレーション(全体の調整・設計)に投資すべきだ。

forbes.com 原文

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