こうした構想を実行に移した唯一の国がロシアだ。その兵器オレシュニク(ロシア語で「ヘーゼル」の意味)はRS-26弾道ミサイルをベースに開発され、全長約12m、重量36t強とされる。射程は約4800km超あるとみられており、IRBMに分類される。多装輪の発射車両で運搬される。
Official video declaring Oreshnik IRBM deployment in Belarus by the Russian Strategic Rocket Forces.
— Dmitry Stefanovich (@KomissarWhipla) December 30, 2025
Mostly support vehicles shown though. pic.twitter.com/jRAYEdd9Z8
ロシア軍は2024年11月21日、オレシュニクを初めて実戦使用し、ウクライナ中部の都市ドニプロを攻撃した。夜空を切り裂く劇的な動画には、弾頭6個が高速で落下する様子が映っており、プーチンに言わせれば「隕石が落下するような」光景だった。とはいえ、衝撃エネルギーは全体でTNT火薬約900kg相当であり、先行する設計に比べるとそれほど強力という印象でもない。
この最初の攻撃で実際に何かに損害を与えたのかもはっきりしなかった。目標は、ロケットなどの製造を手がける企業ピウデンマシュ(旧名・ユージュマシュ)の工場だったが、死傷者の報告はなく、のちに公開された衛星画像にもクレーターや倒壊した建物、工場側の大きな損傷は認されなかった。この工場はこれより前にもロシア軍による攻撃を受けていた。
2発目のオレシュニクは2026年1月に発射され、ほかの兵器とともにウクライナ西部の都市リビウを攻撃した。このときもオレシュニクの有効性を示す証拠はほとんど見られなかったが、この攻撃はロシアがウクライナの西の端に打撃を与え得ることは示した。また、これは表向きには、プーチンの邸宅のひとつに対するドローン攻撃への報復とされた。
報復攻撃?
これら過去2回の攻撃は、準備段階だったように見えた。だが2026年5月24日に行われた今回の攻撃では、ロシア軍はオレシュニク2発に加え、ドローン600機、ほかのミサイル90発近くを発射した。ロシア側はこの攻撃について、訓練生65人が死亡したとされるドローン訓練施設に対する攻撃への報復と主張しており、目的は最大限の損害を与えることにあったとみられる。
2発のオレシュニクのうち1発は、キーウ近郊の都市ビラツェルクバに落下した。動画には、6個の弾頭それぞれがさらに6個の子弾に分離する様子が見える。子弾群のひとつは、ガレージが立ち並ぶ区画を直撃した。カメラを回しながら着弾現場を案内したある所有者は、大きな被害を受けたことに罵詈雑言を交えながら怒りをあらわにするとともに、ここが秘密の軍事施設だなどとする主張にあきれている。「ここに僕らがどんな重要な『戦略施設』を持っているか、見てのとおりだよ」。別の子弾群は、使われていない工場の敷地内に着弾した。これらの衝撃部材は、予想されていた鋼鉄製やタングステン製ではなく、鋳鉄製(編集注:炭素を2%超と比較的多く含む鉄。鋼よりもろいが加工しやすい)だったとも報じられている。
A Kyiv resident calls Putin a dumb little bitch after Russia wasted $40,000,000 sending an Oreshnik missile to destroy his old rusty garages on the outskirts of town. pic.twitter.com/vmP2V4dDx9
— Jay in Kyiv (@JayinKyiv) May 25, 2026


