宇宙

2026.06.13 10:30

H3ロケットの30形態が打ち上げ成功、「高頻度化」とさらなる「低コスト」に向け再始動

(c)JAXA/YouTube Live Streaming

ミッションを完遂した第2段は、地球を一周したところで逆噴射を実施し、大気圏へ正常に制御落下された。今回のH3ロケット6号機は試験機であるため、6機の小型衛星以外には主衛星を搭載せず、その代替として約1.5トンのダミー(性能確認用)ペイロードを搭載していた。

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30形態の打ち上げコストは24形態の63%

今回の6号機の打ち上げ成功は、JAXAと主契約者である三菱重工業にさまざまな成果をもたらしたといえる。第一に、前回の8号機で不具合が発生した衛星搭載アダプタの健全性が確認され、それを確認するデータが採取された。同時に、打ち上げの全工程がスムーズに完了したことにより、国内外の衛星運用者に対してH3の信頼性を改めてアピールした。これによってH3の定期打ち上げに道筋がついたといえる。

6号機ではフェアリングの分離から第2段分離、衛星の放出までがすべてスムーズに実行された (c)JAXA/YouTube Live Streaming
6号機ではフェアリングの分離から第2段分離、衛星の放出までがすべてスムーズに実行された (c)JAXA/YouTube Live Streaming

また、今回の打ち上げによって、H3ロケットの3種のバリエーション、「22」「24」「30」のすべての形態が出揃ったことになる。これらの名称は、頭の数字がメインエンジンの基数、次の数字が固体燃料ブースターの基数を示す。つまり30形態とは、3基の液体燃料エンジンを搭載し、補助ブースターがない仕様を意味する。

30形態では、メインエンジン(LE-9)が3基に増えても、ブースターが不要なためコストダウンを図ることができる。ブースターがなければペイロード能力(積載能力)は下がるが、衛星や軌道によってはそれで足りる。つまり、多様な顧客ニーズに合わせ、3種の形態を柔軟に使い分けることで、打ち上げ効率とコストの面でより有利な運用が可能になる。

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メインエンジンが点火された直後のH3ロケット6号機 (c)JAXA/YouTube Live Streaming
メインエンジンが点火された直後のH3ロケット6号機 (c)JAXA/YouTube Live Streaming

有田氏によると、「30形態がもっとも低コストであり、22は30に比べて2割ほどアップ、24は30に比べて6割ほどアップ」するという。言い換えれば、30形態のコストは22形態の約83%、24形態のわずか約63%ということになる。H3ではH-IIAロケットの約半額、約50億円程度の打ち上げコストを目指しているが、30形態はその実現の切り札となる。

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編集=安井克至

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