イーロン・マスクが、世界史上初の「トリリオネア」(兆万長者。資産1兆ドル[約160兆円]以上。1ドル=160円換算)になった。スペースX株は米国時間6月12日、1株150ドルでナスダックで取引を開始し、160.95ドルで引けた。これによりスペースXの時価総額は約2.2兆ドル(約352兆円)に達したことになる。
フォーブスは、6月12日の取引終了時点におけるマスクの資産を1.1兆ドル(約176兆円)と推計している。これは、スペースXがIPO価格を1株135ドルに設定した6月11日時点の9820億ドル(約157.12兆円)から増加した。フォーブスの試算によれば、IPO価格の決定によりマスクの資産は前日に1880億ドル(約30.08兆円)増えた。スペースX株は6月12日に1株176.52ドルまで上昇し、マスクの資産は一時的に過去最高の1.2兆ドル(約192兆円)に達した。
資産の柱はスペースX株38%とテスラ株
スペースXの会長兼CEO兼最高技術責任者(CTO)を務めるマスクは、同社株を48億株保有しており、6月12日の終値時点でその価値は7670億ドル(約122.72兆円)に相当する。さらに行使価格が1株8.40ドルのストックオプションを3億5000万株分保有しており、その価値は530億ドル(約8.48兆円)。これにより、同社の持ち分は38%となり、その価値は8210億ドル(約131.36兆円)になる。
スペースXが6月11日にIPO価格を設定する前、フォーブスはマスクの推定40%の持ち分(公募による希薄化前)を、2月に実施されたスペースXと、マスクの人工知能(AI)およびソーシャルメディア企業xAIとの合併におけるスペースXの評価額1.25兆ドル(約200兆円)を基に、およそ5000億ドル(約80兆円)と算定していた(xAIは2025年3月に、旧TwitterであるXと合併している)。
マスクはまた、時価総額1.5兆ドル(約240兆円)のテスラの10%強を保有しており、その価値は1680億ドル(約26.88兆円)に上る。加えて、さらに約8%の持ち分を取得できるオプションを保有し、その価値は1160億ドル(約18.56兆円)だ。資産全体にはこのほか、脳インターフェースのスタートアップNeuralinkやトンネル掘削企業Boring Companyの小規模な持ち分、さらに過去のテスラ株売却で得た数十億ドル(数千億円)の資産が含まれる。
火星移住などの目標達成で、持ち分は47%に増えうる
フォーブスのマスク資産推計に含まれていないものもある。業績連動型の譲渡制限株式で、これによりスペースXとテスラにおける持ち分はそれぞれ47%、29%まで増える可能性がある(税金および譲渡制限株式のロック解除費用を差し引く前)。その株式をすべて得るには、スペースXとテスラの時価総額をそれぞれ7.5兆ドル(約1200兆円)、8.5兆ドル(約1360兆円)まで引き上げることや、火星に少なくとも100万人が居住する恒久的な人類のコロニーを確立することなど、極めて高い目標を達成しなければならない。
2位ペイジの資産もマスクの3分の1未満
誰かがトリリオネアになるという発想は、ほんの数年前でさえ想像を超えるものだった。ビル・ゲイツは1999年に資産1000億ドル(約16兆円)を超えた最初の人物となったが、まもなくドットコム・バブルが崩壊し、その状態は長く続かなかった。12桁の大台が再び突破されたのは2017年で、ジェフ・ベゾスが史上2人目の「1000億ドル[約16兆円]長者」になった。2020年に資産2000億ドル(約32兆円)に最初に到達した人物でもあるベゾスは、現在は推定資産2490億ドル(約39.84兆円)で世界4位の富豪だ。一方のゲイツは推定資産1040億ドル(約16.64兆円)で20位に位置する。世界2位はラリー・ペイジで、資産は2940億ドル(約47.04兆円)、マスクの3分の1にも満たない。現在5位で資産2310億ドル(約36.96兆円)のラリー・エリソンは、マスク以外で資産4000億ドル(約64兆円)に達したことのある唯一の人物である。



