イーロン・マスクのスピーチ全文
「グウィン・ショットウェル(訳注:スペースX社長)は本当に素晴らしいパートナーであり、この会社に最初期に加わってくれた大切な1人です。グウィン、心から感謝しています。もちろん彼女は今ニューヨークにいるはずですが、どこにいるのかな?(会場笑)
エル・セグンドの倉庫から始まった小さな会社が、今や史上最大のIPOによって上場するなんて、確かに今でも信じがたいことです。正直に言うと、もし当時誰かにこんな未来が来ると言われていたら、私は『おいおい、本当に質のいいクスリでもキメているんじゃないか。この会社は絶対に潰れるよ』と返していたでしょう。私はスペースXが成功する確率は10%未満だと本気で考えていたのです。
はっきり言っておくと、実際に私は周りの人々にこう話していました。『いいかい、私たちは十中八九失敗する。けれど、とにかくやってみる価値はある。なぜなら私たちが挑戦しなければ、宇宙分野に参入する新しい会社が現れなければ、人類が真の意味で宇宙を股にかけるような文明を築くことは永遠に不可能だからだ』と。
他の宇宙関連企業も、確かに優れたロケットなどを造ってはいました。しかし彼らは、人類のマルチプラネタリー(多惑星居住)を実現するために必要なテクノロジーや、『スタートレック』の世界、あるいは私たちが本で読んできたようなワクワクするサイエンス・フィクションの未来を現実にするための技術を、単に追い求めていなかったのです。そして、それこそがスペースXの存在意義そのもの、つまり、サイエンス・フィクションから『フィクション』を取り除き、あらゆる人々にとってエキサイティングで、インスピレーションに満ちた未来を創り出すことなのです。
私たちは、月に行きたいと願う人、火星に行きたいと願う人の誰もが、太陽系の中のあらゆる場所、そしていつかは太陽系の外へさえも行けるようにしたいと思っています。あなたをそこへ連れていけるようにしたいのです。一握りの選ばれた宇宙飛行士だけではない。あなた自身、文字通りあなた自身のことです。これを見ているのが誰であれ、スペースXはあなたを月へ、火星へ、そして最終的にはそのもっと先へと連れていけるようになりたいと考えています。そして今の私は、ここにいるスペースXの素晴らしいチームがいれば、皆さんのためにそれを必ず実現できると確信しています。
私はいつもこう考えています。地球上には常に問題がある。いつも問題だらけだと。地球上でより良くしたいと願うこと、解決したいと思うことは絶えず存在し、私たちは当然それらを解決すべきです。しかし同時に、心からワクワクできるような未来、次に何が起きるか待ち遠しくて、朝起きるのが待ち遠しくなるようなことも絶対に必要です。そして、それこそが、スペースXが皆さんに届けたい未来なのです」。


