リーダーシップ

2026.06.17 10:30

「職場の対立」はなぜ生まれるのか──その背後にある5つの心理的要因

stock.adobe.com

時間の経過とともに、その社員は信念を裏づける証拠ばかりを集め続けるため、確信はさらに強まる。確証バイアスは採用判断、人事評価、昇進、そして日々の職場でのやり取りにまで影響し得る。この傾向に気づけるリーダーほど、立ち止まり、追加情報を集め、最初の結論を疑ってみる可能性が高い。

advertisement

基本的帰属の誤りは、対立につながる誤解をどう生むのか

心理学者は「基本的帰属の誤り」という言葉で、他者の行動を説明する際と自分の行動を説明する際とで、異なる説明をしてしまう傾向を表す。これは職場の誤解の最も一般的な原因の1つである。

同僚や他部署の社員が締め切りに遅れた場合、人はしばしば、その失敗を「段取りが悪い」「コミットメントが足りない」「努力が不足している」といった個人特性に帰属させる。一方で、自分が締め切りに遅れた場合は、「優先事項が競合していた」「期待が非現実的だった」「予期せぬ障害が起きた」といった状況要因で説明しやすい。

この違いは小さく見えても、結果は大きい。社員は、行動に影響した状況を理解しようとする代わりに、性格に関する前提に基づいて互いを判断し始める。誤解されたり不当に判断されたりしていると感じることで、関係が悪化していく。

advertisement

この傾向に対処する上で、好奇心は重要な役割を果たし得る。結論を出す前に質問する社員は、当初は持ち得なかった情報を発見することが多い。締め切りの未達は、優先事項の衝突が原因だったのかもしれない。返答の遅れは家族の緊急事態によるものだった可能性がある。コミュニケーションの破綻は、意図的な放置ではなく、期待値が不明確だったことに端を発していたのかもしれない。

内集団バイアスは職場の対立にどう影響するのか

人は、似た背景、経験、視点をもつ相手へ自然と引き寄せられる。心理学ではこの傾向を「内集団バイアス」と呼ぶ。多くの組織で内集団バイアスは、誰が注目され、誰のアイデアが聞き入れられ、誰が価値ある機会にアクセスできるかに影響する。リーダーは意図せず、似た考え方の人々から意見を求めがちである。社員も、自部門のメンバーからの提案のほうを、異なる背景や専門性をもつ人の提案より信頼しやすい。このバイアスは悪意なく形成されることが多い。人は一般に、見慣れた相手のほうが居心地よく感じる。共通の経験は、信頼感と予測可能性を生む。

しかし課題は、イノベーションがしばしば異なる視点の衝突から生まれる点にある。組織は、部門や世代、機能領域をまたいで関係を築くときに恩恵を受ける。部門横断の協働機会をつくるリーダーは、内集団バイアスが生みうる障壁を減らしやすい。

次ページ > 前提は好奇心をどう妨げ、対立を増やすのか

タグ:

advertisement

ForbesBrandVoice

人気記事