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2026.06.12 12:30

スペースXが1.75兆ドルIPOで示す宇宙AI戦略、収益100倍を見込む投資価値

gguy - stock.adobe.com

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テキサス州には、1年以上前に完成し、サーバーラック、ネットワーク機器、GPUを備えているにもかかわらず、送電網への接続を待ったまま稼働していないデータセンターが存在する。これは電力の問題であり、米国全土、そして世界中でAIインフラの拡大を阻む課題を如実に反映している。

増えつつある企業が検討している解決策は、上へ向かうことだ。コンピューティング能力を軌道上に配置すれば、太陽電池アレイは常に日光を浴び、送電網への接続を待つ必要もなく、廃熱は水域ではなく真空空間に放散される。さまざまな企業がこのコンセプトを検討している。

スペースX(SPCX)は、これを実現する準備が最も整っている企業かもしれない。

米国時間6月8日、IPOのわずか4日前に、同社は人工衛星「AI1」を発表した。AI1とは軌道上に配置されたデータセンターであり、スペースXがこれまでどのロケット企業も正当化したことのない評価額に値する理由を説明する上で、最も重要な要素となり得る。

バリュエーションにおける重要性

スペースXは1兆7500億ドル(約280兆円)という評価額でIPOに臨む。これは過去12カ月の売上高の約100倍に相当する。比較すると、産業企業は通常、売上高の1〜5倍程度で取引される。通信企業も同様の水準だ。打ち上げ事業は市場支配力がどれほど強くても、衛星インターネットサービスはどれほど収益性が高くても、100倍のバリュエーションを正当化することはできない。その倍率が妥当であるためには、スペースXをまったく別の存在として捉える必要がある。AIインフラこそが、同社が提示している答えだ。

各AI1衛星は120kWの連続コンピューティング能力を提供する。これはエヌビディアのGB300ラック1台にほぼ相当する。同社の巨大ロケット「Starship」は、1回の打ち上げで30〜50基の衛星を搭載可能だ。スペースXが見込む打ち上げ頻度であれば、年間100ギガワットの軌道上AIコンピューティング能力を展開でき、最終的には1テラワットを目指せると同社は考えている。ゴールドマン・サックスは、AIがスペースXの将来価値を牽引する主要因であり、2030年までに売上高が100倍に増加する可能性があると指摘している。

宇宙が解決する地上のボトルネック

この楽観的な見通しは、地上のAIインフラにおける実際の制約に基づいている。送電網は逼迫している。自治体は土地利用、水資源、エネルギー需要を理由に新規データセンター開発を阻止している。許認可取得までの期間は数年に及ぶようになっている。宇宙では、これらの問題は一切当てはまらない。

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