フランスのある大物政治家が最近、苦境に立たされた。その原因は賛否両論の政策でもなければ、物議を醸す意見でもなく、エムダッシュ(―)の使用だった。
「エムダッシュは今やプレスリリースや自己賛美的なLinkedInの投稿、大学の出願書類などで多用されている。かつては活字において洗練されたものと見なされていたが、今では人物の本質を物語る兆候となっている」と仏紙ル・モンドは報じた。
大規模言語モデル(LLM)の利用によってエムダッシュや「meticulous(几帳面な)」のような単語への依存が高まると、文章力が低下するだけではない。あなたの信頼性を損なう可能性もある。そしてChatGPTっぽい表現はまだ始まりにすぎない。
人工知能(AI)が信頼性を損なうのは句読点の使い方の癖のせいではない。むしろ、語調や根拠のない権威を振りかざすような微妙な要素に原因がある。私は自動化を基盤とするSaaS企業の経営者としてAIを強く支持している。それでも自分の信頼性と誠実さを守りたいのであれば、思慮深く戦略的に活用することが不可欠だ。
ここでは、AI生成の文章が信頼を損なういくつかの要因と、その改善方法を紹介する。
実体験に裏付けられていない自信過剰
ChatGPTの出力内容に「本当に真実なのか」と間違いを指摘すると、「あなたの言う通り、LLMの回答は完全には正確ではありませんでした」と返されるたびに100円もらえるなら、新たな会社を立ち上げる資金が貯まるだろう。
ChatGPTの根底にあるのは「確信」だ。ChatGPTに文章の作成を依頼すれば、確信に満ちたものを生成するだろう。その文章は信頼できるもののような印象を与えるだろうが、現実の根拠に欠けているかもしれない。
事業主が100%の精度で何かを予測できることなど滅多にない。真実はニュアンスや曖昧さの中にある。
AIが自信過剰な傾向にあるのであれば、誠実な形で疑いを持つことで修正できる。たとえば「自己資金で立ち上げた企業の方が持続性が高い」と断言するのではなく、「私の経験では、自己資金で立ち上げた企業の方が持続性が高い」と注釈を加えるのだ。不確実性に対してほんの少し謙虚さを示すことで信頼性を守ることができる。



