捻出した時間の定まらない行き先
時間という観点で見ると、AIを日常的に利用する一般従業員の42%が、週に少なくとも1営業日分の時間を創出できていると回答した。数字だけ見れば、効率化は着実に成果を上げているように映る。
ところがその先には進めていないようだ。創出した時間をどう活用すべきか十分な指針を示されていない、あるいは全く示されていないと答えた人は66%にのぼり、半数以上が創出した時間で戦略的な業務を行えていないと回答した。時間は生まれているものの、その使い道は組織として示されないままになっている。
AIエージェントの活用状況にも同じ構図が表れている。AIを日常的に使う人のうち、AIエージェントが業務フローに組み込まれていると答えた割合は30%で、前年の13%から倍増した。さらに61%が、3年以内にAIエージェントが自身の業務の半分以上を実行できるようになると見込んでいる。それにもかかわらず、全回答者の52%はAIエージェントについて十分に理解していないと答えており、導入のスピードに対して監督体制や責任の所在の整理が後手に回っているように見える。

満足度が上がり、時間も生まれ、自動化も進む。条件はそろっているように見えるのに、その先で何をするかという設計図だけが、まだ見当たらない。効率化の成果をどう次につなげるかは、まだ手つかずのまま残されているようだ。
【調査概要】
調査対象:世界14の国・地域の経営幹部から従業員まで1万1749人
調査期間:2026年(年次調査、4回目)
調査方法:BCG Xによる意識調査


