欧州

2026.06.12 11:00

ロシア政府が対外プロパガンダ活動予算を増額 深刻な財政難の中

ロシアのサンクトペテルブルグで開催された国際経済フォーラムで演説する同国のウラジーミル・プーチン大統領。2026年6月5日撮影(Contributor/Getty Images)

ロシアのサンクトペテルブルグで開催された国際経済フォーラムで演説する同国のウラジーミル・プーチン大統領。2026年6月5日撮影(Contributor/Getty Images)

これはまさに2つのロシアの物語と言えるだろう。一方では、ロシアが自ら選んだウクライナへの侵攻が、財政的に持続不可能な事業へと変貌しつつあることが明らかになっている。この戦争は、国家を破綻させる恐れがあり、ひいてはウラジーミル・プーチン大統領の権力基盤さえも危うくしかねない。他方で、ロシアは現在、自国の「穏やかな側面」を強調し、だまされやすい西側の人々を引きつけ、国際的な議論の枠組みを再構築するための大規模なプロパガンダ攻勢を展開している。そして、これら2つの傾向は密接に結び付いている。

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その関連性を理解するには、まずロシア経済から見ていく必要がある。国内では、長年にわたる西側諸国による制裁と経済的圧力を受け、ロシア大統領府(クレムリン)は深刻な財政的逆風にさらされている。ロシア財務省と中央銀行の高官らは、ウクライナ侵攻への支出が持続不可能な水準に達していると警告し、国防費の削減を提案していると伝えられている。

財務省や中央銀行が懸念を抱くのも無理はない。過去数年間、クレムリンは拡大する欧米の制裁に対応するため、経済を軍事関連生産に大きく依存する構造へと転換し、その後、戦争支出を増額してこれらの産業に資本を投入してきた。

スウェーデンのストックホルム国際平和研究所(SIPRI)によると、昨年のロシアの軍事費は過去最高の約15兆5000億ルーブル(約34兆円)に達した。今年の予測もほぼ同様で、14兆9000億ルーブル(約33兆円)となっている。このような支出ペースは到底持続可能ではない。その結果、ロシアの財政赤字は拡大の一途をたどり、今年は3兆ルーブル(約7兆円)にまで膨れ上がる可能性がある。

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クレムリン当局者は最近まで、イラン情勢に端を発する世界的な原油価格の上昇がロシアの財政に追い風になると期待していた。だが、その恩恵は当初の予想ほど大きくなく、一方でウクライナ軍によるロシアのエネルギー施設への長距離無人機(ドローン)攻撃が甚大な被害をもたらしている。ロシアの原油処理量は現在、16年ぶりの低水準にまで落ち込み、政府は節約策としてジェット燃料の輸出を禁止するに至った。

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翻訳・編集=安藤清香

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